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幅広く活躍する管理栄養士
井上祐子様

井上祐子様のご紹介

管理栄養士として、献立作成や衛生管理のアドバイス、商品の監修や食品表示の作成、食育活動などを行う。
現在、都内フランス料理店の衛生管理アドバイスや、たん熊北店のおせち料理の監修、東京大学運動部ア式蹴球部の栄養アドバイザー、高等専修学校の講師など幅広く活躍中。メディア出演も多数あり。

管理栄養士
栄養教諭保持
国際中医薬膳師
中医薬膳茶師


株式会社タイアップ HP
URL:http://tie-up1.com/nutritionist/
井上様

井上様にとって「食」とは

「生涯の楽しみ」

取材日 2022年7月29日

井上様にとって「食」とは

「食」とは生涯の楽しみだと思っています。食べることももちろんですが、心も健康でないと食べることも楽しめないですよね。食で健康な体を作っていくのが一番だと思っています。自分で料理することも好きなのですが、誰かが作ってくれた料理でおいしいものを発見することや、それを再現して家族に食べさせてあげられないかと考えることも楽しいですね。

あとは、変わった食材との出会いも楽しいです。先日、友人と八百屋さんに行ったときに「コリンキー」という野菜が並んでいました。生でも食べられるかぼちゃです。おいしいよと友人にすすめたら、きんぴらや、浅漬け、ナムルにして食べたと聞いて、自分の紹介で食の輪が広がって楽しめることも、食のいいところだと思います。

余力があれば、自分で農家さんを訪ねて、その食材を使って自分で料理するお店ができればと思っています。「おいしいね」と食べてもらえることが私の中では一番。塩分などいろいろなことも考えて提供したいと考えています。これも食の楽しさかなと思います。
井上様
栄養士になろうと思った背景について
小さい頃から食が好きだったことと、父の影響です。私の父は「本物を知らないと偽物に気づけない」という考えのもと、本物を食べさせるために様々な場所に連れて行ってくれました。これが私の食の原点であって、このことが大きく影響しています。例えば卓袱(しっぽく)料理を食べるために長崎まで連れて行ってくれたこともありました。こういった本物や原点、現地の食を味わう機会ではその土地の文化や歴史なども学ぶことができ、今でもその経験が役に立っています。

その父が進路として薦めたのが栄養士でした。当初私は調理師になることを考えていたのですが、姉が看護師をしていたこともあり、医療にも関われる栄養士がいいのではと父は考えたのだと思います。このようなこともあり、食に関わることができて、おいしいものを作れる環境でもある、栄養士になろうと思いました。
学生時代はどのように過ごされましたか?

中学高校と学校があまり好きではなかったのですが、短大に入ってからは栄養士の勉強がとても楽しくて、楽しくて!授業も一言一句聞き漏らさないようにするくらいでした。勉強を進めていく上で壁になったのが中高の基礎で、わからないところは弟の教科書を借りて勉強したこともありました。

先生や友だちにもとても恵まれました。調理学研究部に勧められて入ったのですが、それもすごく居心地がよい楽しい環境でした。自分が作った試作を、先生や友だちに食べてもらうのがすごく楽しみでしたし、普段考えないような食材をアレンジして作ることもすごく楽しかったです。

授業では調理科学や運動生理学が楽しかったです。
調理科学では、アントシアニンなどの色の変化や、ジャガイモとトマトを一緒に煮ると表面が固まってしまって柔らかくならなかったり、もやしを煮たときにシャキシャキにならない理由などです。
運動生理学では、食べ物からの栄養が体の中に入ってからどのように変化していくのか、代謝されていくのか、カラダをつくるのかといったことに強く興味を持ちました。

料理が好きで、体をつくることを提案する仕事を今しているのは、ここでの学びのおかげだと思っています。

初めて就いた仕事について
短大卒業後は、宮内庁に入庁し三笠宮家の侍女としての仕事に就きました。きっかけは、ある料理コンテストに出場したときに審査員だった先生との出会いからです。このコンテストの実技審査の最中にアクシデントがあり、その様子を見た先生が「君がここで負けてはいけない」と言って背中を押してくださったのです。その後は自分に負けないように最後まで料理を作り上げて優勝することができました。この審査員の先生の推薦で、三笠宮家の侍女として勤めることになりました。

三笠宮家での仕事は、身の回りのお世話と休日の調理でした。平日は大膳課の職員が調理するのですが、週末は侍女が当番制で作ることになっており、私の作った料理も両殿下に召し上がっていただきました。私が作ったもので殿下が「おいしい」と言っていただけた料理が2つあります。”肉じゃが”と”コロッケ”でした。また食べたいとリクエストもしていただきました。この時のことが特に印象に残っています。この2つの料理は特別な料理だったわけでなく、私の母の味でした。日々の食は、何気ない日課であり、ホッとできる味が一番なのかもしれないですね。
その後のキャリアパスについて
三笠宮家での任期終了後は、日本料理を極めたくなり国立にある辻グループの専門学校に通いました。その後に結婚し、ABCクッキングスタジオで料理講師をし、出産を経て区立の学校栄養士として勤務しました。ここでの栄養士の実務経験から管理栄養士と栄養教諭を取得しました。その後は、独立してフリーになりました。服部調理師専門学校の服部先生のご紹介でFC町田ゼルビアやオテル・ドゥ・ミクニの仕事をいただくことができ、フリーとしての仕事が充実しました。その後は、たん熊北店のおせち料理の監修や、セブン&アイグループの「ごっつお便」の料理監修、高等専修学校の非常勤講師などをしています。私の経歴は、節目節目で周り方々からのありがたい導きがあったからこそだと思っております。人との出逢いやつながりはとても大切で、どんなときも感謝を忘れないようにしています。
学校栄養士
専修学校講師
今注目していることについて
注目しているものの一つは”薬膳”ですね。薬膳の勉強を始めて、「日々の食生活こそが健康な体を作る」と、栄養学とは離れた目線で自分の食のスポットとして注目しています!栄養学×薬膳の作用をその人の体質や要望に応じて、オーダーメイドの食事を考えることが魅力ですね。知識を深めて、西洋医学だけではなく、中医学と薬膳のいいところを献立として提案できるように頑張りたいです。
今後のビジョンについて
自分が厨房に立って料理をし、一人で回せるくらいの広さのお店をやりたいと思っています。そこでは、先ほどお話しした薬膳もとりいれたいですね。全力で自分の料理を提供できたらということが目標です。

これから栄養士を目指す人たちに一言

井上様

学生時代に「やっておけばよかった」という悔いを残さないように、どんなこともチャレンジしてもらいたいなと思います。学校で学生たちを見ていると、やりたいことすら分からない、仕事としてつく職場もどういうところがあるのか分からないという、大きな悩みを抱えている学生もいます。とにかくチャレンジすることで、たくさんの方と出会い、経験と失敗を重ねて、自分自身を見つけてほしいです。

仕事は3年くらい続けないと良いも悪いも分からないと思います。自分で「合わない職場かな」「合わない仕事かな」と思っていても、続けるうちに適性が見つかるかもしれません。でも、体を壊すほど、無理してはだめですよ!本当につらかったら信頼できる方にきちんと相談することが大切です。流行り病が止まないこんな環境だからこそチャレンジすることと向き合って栄養士をめざして頑張ってほしいです。

また、栄養士のことに関しては、日本栄養士会のホームページやイベントなどに参加することで情報や知識が得られます。学生料金が適用されるものもありますし、会員でなくでも参加できる活動もあるので、活用するといいですよ。

 

井上祐子様には、各業界の方々の『食』やその人の人物像にフォーカスするインタビュー企画のMCとしてご協力いただきます。今後もお楽しみに!

今回の取材場所について

MARCO

〒135-0048
東京都江東区門前仲町1-12-7 佐野ビル1階
URL:http://www.marco-cafe.com/
TEL : 03-5875-8908

■■Instagram■■
marco_official317 #marco門前仲町

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