山大商事株式会社様
食の安全に関して大切にしていること
「『基本的な衛生管理』と『製造ラインに合わせたリスク対策』を徹底する」
山大商事株式会社様
設立 | 1953年10月7日 |
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住所 | 神奈川県平塚市堤町1-2-2 |
ホームページ | https://yamadai-corp.co.jp/ |
事業内容 | 結婚式場・葬儀場における料理の提供 レトルト食品の製造・販売、オンラインショップ運営 |
ご担当者様 |
代表取締役社長 野原彰二 様 |

御社は、結婚式や葬儀場などのお料理を中心として、さまざまな事業を展開
しておられますね。
野原様:私たちの親会社である「平安レイサービス株式会社」は、平安閣という結婚式場で創業し、以来、冠婚葬祭に関する事業を幅広く手がけて参りました。私たち「山大商事」は、その結婚式場や葬儀場でご提供するお料理や返礼品ギフトを中心に事業を展開しています。EC事業を手がける「山大フーズ」とともに、「味と素材にこだわり、食で評価される会社」をめざしています。
お料理の味をそのままパウチしたレトルト食品も販売されていますね。
野原様:レトルト食品については以前から手がけていたものの、販売先は互助会会員様などが中心で、一般のお客様に向けた販売は行っておりませんでした。ですが、ここ1年半ほどは、「山大の味を、より多くの方に届けたい」との思いから、レトルト事業に注力しております。ただ、一般のお客様への販路については知見が不足していたものですから、かねてより各種検査をはじめ衛生管理をお願いしておりました御社にコンサルタントをお願いした次第です。おかげさまで、最近はOEMのご相談も頂くようになりました。
結婚式や葬儀の際のお料理をレトルトにした商品は、業界でも珍しいですね。
野原様:多くのレトルトメーカーさんは、通常、研究所で開発スタッフが試行錯誤して商品を開発していると思いますが、私たちは料理人が結婚式場や葬儀場で作った料理と同等品質のものを目指しレトルト商品を開発しています。味や素材などにこだわった料理をお客様にお届けできるのは、ベテランの調理師を多数抱えているからこそできることですね。
こだわりのお料理が、レトルトでいつでも食べられるのは嬉しいですね。
野原様:お取引のある会場様から、料理についての嬉しいフィードバックを多数頂いております。例えば現在、年間7千件ほどのご葬儀のお手伝いをさせて頂いていますが、「お客様が『山大の料理なら注文する』と言っていましたよ」ですとか、「山大さんのお料理、すごく評判がいいですよ」「皆さん、最後までしっかり召し上がりました」などのお言葉を頂いております。世間では仕出し料理を注文しない、通夜振る舞いをしない方もおられるなかで、本当に有難い限りです。
「骨ごとガブッリマル」や「和食板前が作る静岡おでん」など、オリジナリティ
にもこだわっていますね。
野原様:一言でいうと、研究開発が好きな会社なんです(笑)。「ほかのメーカーさんでやらないような商品開発をしたい」との思いは、常にありますね。「静岡おでん」については、創業者が静岡出身ですので、かねてより通夜振舞いに静岡おでんを提供しておりました。これがとても好評で、ご注文も増える一方でしたので、「それならレトルト加工で計画生産してみよう」ということで誕生しました。その流れで、カレーやハッシュドビーフなどの商品が誕生し、主力商品である「骨ごとガブッリマル」の開発に至りました。骨ごとそのまま食べられるように調理した干物ですので、特に介護施設のご高齢の方に喜ばれています。
今後はこれらレトルト商品の一般販売を拡大されるのですね。
野原様:冠婚葬祭事業は、コロナ禍で受注が落ち込んだものの、おかげ様で結婚式・葬儀ともに回復しています。しかし今後、葬儀はともかく結婚式は縮小していく傾向にあると思いますので、レトルト食品を第三の事業にしていけたらと考えています。自社工場は、1日あたり数千から一万食ほど作れるスペックがありますので、今後も地元を中心に、多くのお客様に商品をお届けしていきたいですね。
レトルト食品の製造においては、衛生管理はもちろん、温度管理なども必要
ですが、どのように対応されていますか。
野原様:例えばレトルトに関しては工場を新たに作って仕出し料理と分けたラインを構築しておりますし、食肉加工室と鮮魚加工室も分かれています。ただ、細分化した分、より高度な管理体制が必要になりますし、JFS規格やHACCPの基準についてもそれぞれ異なりますので、それらについて我々ではなかなか判断をつけ難いところがございます。そんなときは御社にお声がけさせて頂き、過去の知見や食品安全規格などを後ろ盾に懸念材料を一つひとつ、払拭して体制構築のサポートを頂いていますね。製品や従業員の各種検査、衛生管理に関わる教育についても御社にお願いしておりますが、やはり体調管理や手洗いなどの「基本的な衛生管理を徹底する」ことが最も重要かと思います。
御社はお料理以外にも、様々なことを手がけておられます。
野原様:我々は「内製」にこだわる会社でして、例えば冠婚葬祭で必要な「写真」と「印刷」商品はそれぞれ必要な設備・人員で完全内製しておりますし、リネンクリーニングに関しては新たに専用のランドリー工場をつくりました。葬儀の際に使用する祭壇も作っているんですよ。そうすると、「白木の祭壇で」「モダンがいい」「オーダーメイドで」など、さまざまなお客様のご要望に、迅速・柔軟に対応できるわけです。また「音楽葬で」というご要望もありますので、大型のフロアスピーカーも自社で作っています。多くのことを自社で賄えることは強みではありますが、生産ラインと同じで、その分リスクも増えていきますので、こちらも御社のご意見を仰ぎながら、しっかりと管理しております。
必要なものを自社で賄うことができれば、無駄なコストを削減でき、
SDGsにもつながりますね。
野原様:そうですね。例えば、私たちは椎茸を原木栽培しているんです。原木栽培はとても難しいのですが、それでも、原木のおいしさに勝るものはありません。ですので、温度管理を日々模索しながら栽培し、今は収穫した椎茸を使った「原木椎茸ポタージュ」の缶詰商品を開発中です。さらに、今後は野菜の水耕栽培も考えています。私たちがここまで内製にこだわるのは、極端な言い方ではありますが「災害などが起こっても稼働できる態勢を整えたい」との思いからです。今後はさらに、会員様や地域の方々と協働して、より地域に根差した会社になっていきたいと考えています。ちょうど今、平塚市内の農家さんと一緒に、規格外の野菜を使った商品を開発しているんですよ。
最後に、今後の展望をお聞かせください。
野原様:最近ご相談を頂けるようになったOEMを、今後も広げていきたいと思っています。我々はレシピ開発から手がけておりますし、数量についても柔軟に対応できるのが強みです。最初から大手レトルトメーカーさんのような規模感ではなく、まずは少量からレトルト商品を作ってみたい企業さんにとっては、着手しやすいのではないかと思います。その一方で、我々は品質にこだわっていますので、「安さ第一」となると難しい部分もあります。いずれにしても、お気軽にご相談頂いて、最終的に「食」を通じたWIN-WINの関係を築けたら嬉しいですね。
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