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行政で栄養士として活躍する
宮田幸代様
宮田幸代様のご紹介
>>町田市教育委員会学校教育部保険給食課 HP

宮田様にとって「食」とは
「人を良くするもの」

右:宮田幸代様
左:井上祐子様(インタビュアー)
(以下敬称略)
井上:今日はお時間いただいきありがとうございます。早速ですが、宮田様にとって『食』とはどのようなものですか?
宮田:『食』とは「人を良くする」と漢字で書きますよね。本当にそうだなと思っています。体に摂り入れるもので体が良くなったり、気持ちの面でも食は重要ですよね。落ち込んで食べられなかったり、逆に元気のないときに自分の好きなものを食べて元気になるとか。食は「人を良くする」ことだし、良くしてくれるものなのではないか思います。


井上:では次に宮田さんが今のお仕事に就くまでのことをお聞きしたいと思います。どのような経緯かお話しいただけますか?
宮田:私が栄養に興味を持ったきっかけからお話しすると、1つは高校の家庭科の授業で「ビタミンB1は疲労を回復する」と聞いて、“食べ物で体の調子って変わる”と知り、もっと知識を深めたいと思いました。また、病気になってから治すということよりも病気にならないで元気でいられるように日々の食事をしっかり摂る人が増えたらいいなと思いました。
もう一つのきっかけは、高校1年の時に拒食症で友だちを亡くしていて、こういう悲しい思いをする子どもが増えないようにしたいなと思ったことです。
これらのことから栄養学に興味を持ち、大学を選びました。知識を深めていくとそれを役立てたいと思うようになり、その中で“広くいろんな人の健康を守る仕事はどれかな”と考えたときに、行政だと思いまして、町田市役所に入職させていただいたということになります。
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井上:町田市役所に入職されてからはどのようなお仕事をされてきましたか?
宮田:入職後の最初の仕事は、地域保健のお仕事を5年くらいさせていただきました。その中で、妊婦さんに食事や栄養に関するお話をしたり、離乳食・幼児食の講座などを行いました。
次に、子どもの食に関して知識を深めたいと思い、保育園での職に異動希望が通ったことから、保育園の部署で、産休育休含めて、11年を勤めました。
その後は、“乳幼児をやったのならば小学生をやろう”ということで(笑)、希望を出して小学校に配属していただきました。
現在は保健給食課で中学校給食の仕事をしています。
井上:小学校では何年間いらしたのですか?
宮田:6年間です。1校だけなので、小学校でやりましたって言えないくらいなのですが、中学校給食での仕事に声をかけていただいたので、現在の保健給食課に配属となりました。
井上:現在の保健給食課でのお仕事に関して詳しく教えてください。
宮田:私が保健給食課に配属されたころ、中学校給食は「選択制・ランチボックス形式」で、当時はそれをいかによくしていくかを考えていました。その頃から現在に至るまでに社会情勢の変化もあり、町田市では中学校給食を「センター方式の全員給食」にすることが決定しています。町田市には中学校が20校あり、その内1校は小中一貫校で、残りの19校に対して給食センターを3つ作ることになっています。現在は“中学校給食チーム”で計画に沿って進めているところです。
井上:宮田さんの今後のビジョンについてお話しいただけますか?
宮田:小学校の現場にいた頃には近くに食べてくれる人がいて、自分が考えた献立が形になり、届き、喜ばれ、コミュニケーションを取るといったことができました。卒業式の頃には、お母さま方から「うちの子が魚の骨を取って食べられるようになったのは、給食のおかげです」といったお声もいただき、現場の大変さはありましたがやりがいもあり楽しかったです。私の今の仕事は、学校の現場で働く人のそういった“ベースを作る役割”なのだなと、頑張らねばならないなと思っています。
井上:今後小学校と中学校の9年間が全員給食になるとのことに向けてはいかがですか?
宮田:生徒にとって給食が“生きた教材”になってほしいと思います。「9年間の給食ってこんなだったよね」と楽しい思い出に残るような給食になればいいと思いますね。食育については、学校といろいろ話し合いながら一緒に協力して、カリキュラムを具体的にするプログラムが組まれるようにしていきたいと思います。小学校給食では近くの農家さんにご協力いただいて野菜を納品していただいたり、その農家さんに畑見学や直接お話を伺う機会を設けていただいたりと、地域とのつながりを持ったりもしています。


井上:行政という一つの仕事の中に、これだけの栄養士の関わりがあるということは、これから栄養士を目指す学生さんにもぜひ大きく伝えていきたいですよね。本日はありがとうございました。
井上祐子様には、各業界の方々の『食』やその人の人物像にフォーカスするインタビュー企画のMCとしてご協力いただきます。今後もお楽しみに!
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