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病院や介護施設の給食の現場経験から働きやすい厨房を提案する
鈴木隆二様

鈴木隆二様のご紹介

病院給食や介護施設の給食、また、高齢者の在宅配食事業の経験を活かし、現在は業務用厨房の環境整備や最新厨房機器などの提案し、現場スタッフが働きやすい職場を整えるサポートをする。

アールスリーライフ合同会社 代表
有限会社Eye-i International
株式会社町田予防衛生研究所 アドバイザー
鈴木様

鈴木様にとって「食」とは

「幸せになるもの」

ツーショット写真

左:鈴木隆二様
右:井上祐子様(インタビュアー)
(以下敬称略)

取材日 2022年11月22日

井上:本日はよろしくお願いします。鈴木さんにとって『食』とはどのようなものですか?

鈴木:食とは“幸せになるもの”だと思います。おいしいものに出会うとすごく幸せですし、自分が作ったものを、家族や孫に振る舞い「おいしい、おいしい」と食べる姿を見て幸せを感じます。それこそ昆布かつおだしをとって、うどんを作って、孫に食べさせます。そうすると変に舌が肥えてしまって、私が作ったうどんしか食べなくなります(笑)。
食べ物に関しては、何をどうしたらおいしく食べてくれるんだろうといったことを考えるのが好きですね。要するに、食べてもらって喜んでくれる、その反応を見ているのが好きです。


井上:食で誰かが喜んでくれることがお好きとのことですが、食に興味を持たれたきっかけを教えていただけますか?

鈴木:私が食に興味を持ったのは、“おふくろの味”。母親がものすごく料理が得意で、私が生まれた昭和20年代頃でも家でグラタンを作ってくれたり、手のかかる料理をよく作ってくれる母親でした。料理を食べる楽しみは、この幼少時代の影響が大きいです。

井上様
鈴木様

井上:栄養士として長くお勤めされたと伺っております。鈴木さんの今までのご経歴を教えていただけますか?

鈴木:初めて就職したのが昭和48年で、ボウリング場のメカニックとして勤めました。その当時私はボウリングのプロを目指しており、働きながら練習させてもらっていました。投げすぎてしまったことから腕を壊してしまい、別の道を選択せざるを得なくなりました。そこで何をしようか考えた時に、父親もその周りも調理関係の仕事であったために、私も調理に進もうと考えました。すると父親から、「あまり体が丈夫じゃないから栄養のほうをやったらどうか」と薦められ、服部栄養専門学校に入学して、栄養士の資格を取得しました。


井上:その当時に、栄養士を目指す人は女性が多かったように思うのですが、いかがでしたか?

鈴木:そうですね。男性が2割くらいでした。男性は調理のほうに行く人が多かったですね。

井上:栄養士になった後は、どのような仕事をされたのですか?

鈴木:栄養士になってから最初に勤めたのは、大手自動車メーカーの社員食堂でした。そこでは食堂総括という立場で、食材の仕入れだとかメニュー作成だとかをやっていました。ここでは2年間在籍しました。社員食堂だとどうしても事務職のようになってしまうので、栄養士としては病院での経験が必要と考え、人工透析を中心にやっているクリニックに転職しました。ただ、そのクリニックでは待遇面で一家を支えるだけの給料をもらえませんでした。そこで、一緒にやっていた婦長さんに相談したところ、ちょうどそこの研修医の先生が独立をしてクリニックを開くということで、その婦長さんから「辞めるんだったらあんた一緒に来なさい」と言って引っ張ってくれたんです。


井上:では次は、透析病院の立ち上げから関わられたのですね。苦労されたところや、やりがいになったことを教えていただけますか?

鈴木:前のところよりも小規模のクリニックだったので、食事に関しては、ほぼ全部自分でやらなきゃいけなかったですね。献立を立てて調理をして栄養指導をして、職員の食事も作っていました。ですから、仕事の範囲は相当広がりましたね。やりがいがあったのは、患者さんと直接お話ができたことですね。食生活が検査結果に直接あらわれるので、患者さんに「こういう点に気をつけて食事をするように」というような指導もできました。透析のクリニックではトータルで15年務めました。

井上:その後はどのようなお仕事をされたのですか?

鈴木:その後は、医療法人が経営している透析患者用のお弁当を作る給食センターで務めました。この医療法人では、東京と埼玉で30箇所くらい透析クリニックを持っていて、そこのお弁当を作る会社で所長として勤めました。また、そこでは在宅の入浴サービスとか介護サービスもやっており、ちょうど2000年の介護保険施行のタイミングで新しく介護を始める会社に買収され、そちらの給食設備や仕組み作りにも関わり、定年までこのグループで勤務していました。定年してからは、それまでお世話になったいろんな会社の顧問や、自分自身でも会社を起こして、これまでの経験を活かした厨房設備や厨房機器のコンサルティングをしています。

井上様

井上:透析患者用のお弁当を作る給食センターでの思い出に残っているエピソードはありますか?

鈴木:そこでは所長という立場だったので、自ら調理するといったことはなかったのですが、「これはこういうふうに作ってくださいね」といった指示をしていました。ある時、不思議なことがあって、お弁当を納品していたあるクリニックの院長が「おたくに鈴木さんっていう栄養士いるか?」という電話が来たんです。それで「ああ、自分ですけど」と答えたら、その院長が「おたくの弁当を食べた患者さんが『これ、鈴木さんの味だ』って言ったもんだから」と連絡してきてくれたんです。それだけ“食”ってすごい記憶に残る、舌に残る。だから自分が作ったメニューが数年後に、鈴木の味を覚えていたという、こういったことも食の醍醐味なのかなと思いますね。

鈴木様

井上:現在では、厨房施設や厨房機器のコンサルティングをされているとのことで、何か心掛けていることなどありますか?

鈴木:自分自身が現場で調理をしていましたので、現場で働く調理師さんや栄養士さんが働きやすいようにと考えています。私が若い頃は、厨房は暑くて当たり前という時代でしたが、今は衛生環境も含めて労働環境が全然変わってきていますので、より快適に厨房の運営ができるようにご提案しています。


井上:調理する人の労働環境をよくするための機器にはどのようなものがありますか?

鈴木:例えばフライヤーのように周辺に熱を発する厨房機器がありますよね。輻射熱が少ない加熱機器があるんですよ。そうすると周りの熱が調理する人たちに伝わりにくいので、よりよい環境で調理ができます。こういった機器は、通常のものよりも金額は上がりますが、働く人にとってはいいですね。

井上:厨房機器の配置というのも重要になりますよね?

鈴木:作業動線は昔から言われていますけれども、それが厨房によって動線が上手く取れないという問題も時に発生します。それを、どうやったら働く人が動きやすいレイアウトになるのかなど考えて、機器の配置を換えるということはよくやっていますね。


井上:現場で調理する人のことをすごく考えていらっしゃるのですね。例えば、新しい機器が入ったときに現場の人たちは不安な部分もあると思うのですが、配慮されていることはありますか?

鈴木:使ったことのない機器というのは、使い慣れるまで不安だと思いますね。そのことも含め、その現場に合った機器をご提案するようにしています。多機能でも使いこなせなければ無用の長物になってしまいますし、機能が多ければ多いほど金額も高いですから。導入時には、メーカーの取扱い説明を実施しています。

鈴木様

井上:新しい厨房機器の使い方セミナーのようなことはやっていらっしゃいますか?

鈴木:厨房機器メーカーで開催しているものもあるので、ご紹介することもできます。また、直近では町田予防衛生研究所とマルゼンというメーカーの共催セミナーもあり、スチームコンベクションオーブンなどを使った調理のセミナーになっております。

美味しさと安全セミナーパンフレット(PDF)



井上:先輩管理栄養士の鈴木さんから経験豊かなお話と実践をお伺いでき、私の知らない栄養士の魅力を改めて発見することができました。今日は貴重なお話をありがとうございました。

ツーショット写真

 

井上祐子様には、各業界の方々の『食』やその人の人物像にフォーカスするインタビュー企画のMCとしてご協力いただきます。今後もお楽しみに!

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