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八丁堀の「KITCHEN & CAFE めめたおる」オーナーシェフ
白石政博様
白石政博様のご紹介
KITCHEN & CAFE めめたおる
東京都 中央区 新川 1-11-8 第一小高ビル 1F
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白石様にとって「食」とは
「健康」
左:白石政博様
右:井上祐子様(インタビュアー)
(以下敬称略)
井上:今日はお忙しいところお時間をいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。早速ですが、白石さんにとっての『食』とはどのようなものですか?
白石:『食』とは健康ですね。私は、子どものころ超肥満で、小学校6年生のときに160センチで85キロくらいあったんです。それで中1の夏くらいに足の親指の激痛があって、病院に行ったら痛風だって言われて(笑)。それまでは野菜を全然食べずに、肉とかご飯とかお菓子とかばかり食べていましたので当然ですよね。病院の先生に「君ね、この年で痛風なんていったら、足切らなきゃなんないよ」って脅かされて、「中1で足切られるんだ」と思ったら怖くなりました。この自分自身の病気と母親の病気のこともあり、野菜を摂ることの大事さを痛感しました。このおかげで今ではとても健康です。野菜を摂っているからか、もうすぐ50歳になりますが、周りからは若いって言ってもらえます。これも野菜を摂っているおかげかなと思います。このような経験から、お客さんにも“野菜を使った健康になれるものを提供できたら”という気持ちで料理を作るようにしています。
井上:子どもの頃のご経験などから、野菜を摂ることの大切さを実感されたとのことですが、これまでのご経緯を教えていただけますか?
白石:東京の赤坂で生まれて、家は祖母の代からの町中華のお店をしていました。大学生の頃にバブルがはじけて、就職してもいいところに就職できないんだろうなと思い、家業を継ごうと思いました。大学4年生になると授業が少なくなるので、その1年間で市ヶ谷にある江上料理学院の家庭料理科コースで学びました。卒業後は、韓国料理に興味があったことから1年間くらい韓国の焼き肉屋さんで修行をさせていただきました。本場の韓国料理を食べたのもこの時期に初めてでしたね。その後に家業の中華料理屋を継ぎました。いろいろあって家業は33歳のときに店を畳みました。それまで中華一筋で来ましたが、母の病気のこともあり、本格的に野菜の勉強をし始めました。中華というと、こってりしているイメージがありますが、たとえば油を使わないでヘルシーに食べられる中華を考えるなど、オリジナルメニューの作成にも取り組みました。店を畳んだ後は、中華以外のジャンルも勉強したいなと思ったので、社員食堂で働きました。2回ほど転職して、2回目に行った社員食堂がすごく良く、7年くらい働かせてもらいました。野菜ソムリエの資格を取ったのもその頃です。2008年ですね。
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井上:2008年だと野菜ソムリエの資格が認知されてきた頃でしょうか?
白石:そうですね。この資格は更新も結構大変で、ベジフルカルテという課題を毎年提出する必要がありました。現在では更新料の支払いのみですが。
井上:社員食堂では白石さんのメニューも提供していたのですか?
白石:そうですね。最初の3年くらいは配膳とか簡単な作業でしたが、その後に社員にさせてもらい、所長にさせてもらって、メニューを考えたり後輩の育成などをいろいろ任せてもらいました。委託元の企業さんの社内誌へのメニュー掲載を依頼されたこともありました。
井上:衛生管理についてはいかがでしたか?
白石:厳しかったですね。定期的に委託元の企業さんからチェックが入るので、いつもピリピリしながらやっていました。一方で、その企業さんとの相性が良かったので、皆さんにすごく可愛がってもらいました。
井上:社員食堂をお辞めになったきっかけと、今のお店を開店されるまでをお話しいただけますか?
白石:社員食堂だと大量調理になるので、私の目指しているものと違うと思い、「自分のお店をやる」と決めて社員食堂を辞めました。その後は物件探しや自分のお店のメニューを考えながら、町場の洋食店やフルーツパーラーなどで4年くらい働きました。
井上:現在のお店の「野菜をしっかり!」のコンセプトはこの頃に考えられたのですか?
白石:そうですね。この4年間で結局たどり着いたところが、“多分みんな野菜を食べたいだろう”と思い、オリジナルの野菜料理で、一品二品じゃなくて、副菜、主菜から全部いろんな野菜を使える定食を作りたいと思いました。その際に一番大事にしているのが季節感、旬の野菜を使うことです。インスタのプロフィールにも書いている“体に良くて個性的な野菜料理が食べられる定食屋”というのでやっています。
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井上:『めめたおる』というお店の名前ですが、その由来について教えていただけますか?
白石:娘が小さいときに頭を洗ってあげると、シャンプーの泡が目につくのをすごく嫌がって、「目々タオル、ちょうだい」「目々タオル、ちょうだい」ってずっと泣きながら言っていたんですね。この“めめたおる”というのが日本語で聞いたことないオリジナルの言葉だなと思っていました。たまたまこの店の立地が公園の前、小学校、幼稚園の近くというのもあって、ひらがなで『めめたおる』って書けば小さい子も読めるし、ちょっとかわいいかなって思って名付けました。初めて来たお客さんからは、「なんで『めめたおる』って言うんですか」と訊いてもらえるので、コミュニケーションのきっかけになっています。店名のきっかけになった娘からは当初「やめてよー」って言われてましたが、今はもう5年、6年経って、結構誇りに思っているみたいです(笑)。
井上:開店されてから、新型コロナウイルスの流行などもあり大変だったと思うのですが、どのような変化がありましたか?
白石:開店して2年目3年目くらいにちょうどコロナが始まっちゃったので、最初の1年は本当にもう無理だなと思ったんですけど、今までやっていなかったテイクアウトを始めるきっかけになりました。お店で提供するものとテイクアウトのメニューが同じものなので、テイクアウトでもおいしく食べられる工夫をするなど、自分の中でもちょっと変わったと思います。
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井上:今後挑戦しようと考えていることや、目標などを教えてください。
白石:とりあえずこのお店を10年やりたいなというところですね。あっという間に6年経ったので、10年って結構あっという間なのかなって思ったりもしますね。妻とも「2人で健康でやっていきたいね」という話をしています。
井上:わくわくする野菜料理と体がすっきりする定食をこれからも楽しみにしています!本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。
KITCHEN & CAFE めめたおる
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東京都 中央区 新川 1-11-8 第一小高ビル 1F
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井上祐子様には、各業界の方々の『食』やその人の人物像にフォーカスするインタビュー企画のMCとしてご協力いただきます。今後もお楽しみに!
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