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食器を通じて現場の課題を解決するスリーライン株式会社
川山正紀様

川山正紀様のご紹介

ヤマト化工が製造するスリーラインメラミンウェアの総販売元であるスリーライン株式会社に1989年入社。各支店・営業所を経験し、22年6月20日 代表取締役社長に就任。福岡県出身。


スリーライン株式会社HP
川山様

川山様にとって「食」とは

「健康と幸せの源」

ツーショット写真

左:川山正紀様
右:井上祐子様(インタビュアー)
(以下敬称略)

取材日 2023年3月15日

井上:本日はお忙しい中お時間を作っていただきありがとうございます。よろしくお願いします。川山社長にとって『食』とはどのようなものですか?

川山:『食』とは、「健康と幸せの源」という感じですね。以前、尿酸値と血糖値が上がって食事療法をしていたことがあったのですが、そのとき自由に食べられないことのつらさを実感しました。今は数値がよくなり、好きなものを食べられる幸せを感じています。食と健康、そして幸せはリンクしていますよね。

井上様

井上:食事制限の体質になってしまうほどの、好きな食べものやついつい食べてしまうものがあったのでしょうか。

川山:私は生まれ育ったところが福岡なんです。昔はよく食い道楽と言われていましたが、もともとカレーが好きで大人になってからはモツですね。脂たっぷりのモツが大好きで。お医者さんにも言われたのですが、昨日今日ではなく長い年月の食事の積み重ねにより体に蓄積しますし、年齢と共に代謝も悪くなりますから。

川山様

井上:福岡で生まれ育ったとの事ですが、東京本社がある御社に川山社長がお勤めするかけを教えてください。

川山:私の両親が地元病院の栄養士さんと知り合いだったのですが、その方の紹介でした。平成元年の入社です。


井上:そこからはずっと御社にお勤めだったのですか。

川山:まず大学生最後の1カ月ほどを試用期間として、倉庫でのアルバイトからはじめました。倉庫では商品の実物に触れ、覚えることができました。4月からは正社員として入社して九州支社に配属され、平成3年に東京支社へ。その後、2年間ほど大阪に行くなど、転勤に伴い日本各地を担当しました。それによりその土地の食や文化を知ることができたのは貴重な体験でした。

井上:転勤や出張でグルメに磨きをかけ、食を大切にされている川山社長でいらっしゃいますが、食とはかけはなせない思い入れのある食器はありますか。

川山:病院や高齢者施設で使っていただいているもので、開発から商品化まで1年半ほどかけたものがあります。いつもとは違ったスタイルの食事を提供できるとご好評いただいています。また、今では当たり前になっている学校給食用のトレーにも、私が提案して商品化されたものがあります。学校給食センターには食器自動供給装置を採用して洗浄から収納までを行う施設が増えてきており、その洗浄レーンや収納の問題もクリアするよう工夫しました。


井上:そういったご要望に応え、その意向を汲んでくださる工場があるのですか。

川山:グループ会社で、ヤマト化工 という主力工場が長野県の小諸にございます。初代が1946年に長野県小諸で工場を創業したのが現在のヤマト化工株式会社で、それからずっと製造は小諸です。その後、 1971年3月に、その販売会社として販売、企画、開発部門を独立させ当社が創立されました。そのときに製品ブランドを「スリーライン」と名付けて売り出したのが原点です。

井上:御社は歴史がありますが、現在はいくつくらいのアイテムを取り扱っていらっしゃるのですか。

川山:色違いや絵柄違いも含め2500から3000アイテムほどになります。何十年も前から作り続けている息の長い商品もあれば、時代と共に少なくなっていった絵柄などもあります。学校給食など、衛生管理上の問題もあり、飯碗や汁椀などがボウルやカップに替わるということも起こっています。めずらしいところでは、農林水産省が健康な方々の健康づくりを目的に作られた食事バランスガイドを活用した「バランスナビ」という食器のシリーズもありますよ。

井上様

井上:すばらしい開発力ですね。「バランスナビ」シリーズは食育にも活用できそうです。川上社長は、食育や食べものの好き嫌いなどについてどのようにお考えでしょうか。

川山:私は生の人参がどうも苦手なのですが、子どもの好き嫌いについては、食べてほしいけれど自分自身を省みると強くは言えないなと。よほど合理的な必要性がないのであれば無理強いはできないと思っています。嗜好は誰もがそれぞれ違うものであり、嫌いなものを強要するのはもう大人のエゴなのかなと。「バランスナビ」については自衛隊でご購入いただいたことがありました。体力勝負ですし、食べる量も多い。栄養バランスは大事ですよね。

川山様

井上:御社ではSDGsにも取り組んでおられますが、そのお話を聞かせてください。

川山:卵の殻を使った次世代のバイオマス食器である「Shellmine(シェルミン)」のシリーズを展開しています。主原料に卵殻を50パーセント以上使った新素材で、バイオマス55の認定を取得しました。環境に配慮した次世代の食器ということで開発したのがはじまりで、SDGsの実現に取り組んでいるホテルや外食産業などでも採用していただいています。
また、再生材を使った商品の開発や、使用後・回収後の食器のリサイクルにも力を入れています。

井上:「Shellmine(シェルミン)」はグッドデザイン賞を受賞されていますね。

川山:廃棄された卵の殻を未焼成のまま再利用し、製造工程でもCO2を40パーセント前後削減できる環境に配慮した新しいバイオマス素材として評価いただきました。若干重量感があり、陶器のような風合いを持った器です。

井上:シンプルで使いやすくどこにでも自然に溶け込むような食器ですよね。


井上: 御社は、「お客様の『食』の現場に関わる問題を解決し、食器を通じた高付加価値を創造する、提案解決型の食器販売会社」ということですが、「スリーラインの強み」として『問題解決力』『提案力』『商品企画力』『対応力』『創造力』という5つの力が挙げられていますね。

川山:改めて『創造力』は特に重要だと思いますね。時代に合った商品を開発することは使命だと考えていますから。食の安全を守ることはもちろん、環境に配慮したり、デザイン面でも時代のニーズを反映したり、考えることは多岐にわたります。


井上:新商品の開発はどのように行われているのでしょうか。

川山:お客さまのニーズを営業担当がしっかりと聞き取り、全国から集まる要望を精査し、製造部門とも実現性などを相談して新製品開発に繋げています。衛生管理やアレルギー対応といった食の安全や、収納スペースの問題等も考慮しつつ、そのうえで料理をおいしく召し上がっていただけるような商品づくりを目指しています。また、開発にあたっては現場で試用していただいたり、安全性を調査したりして、安心して使っていただけるものを提供しています。


井上:アレルギー対応のための食器もご提案されているのですね。

川山:保育園向けの食器では、メインの器を白色にしておいてピンクとイエローをアレルギー用に、という対応をしました。トレーで分けるのではなく色分けして可視化することで、食器の置き間違いを防止できます。アレルギー対応は命に拘わることですから非常に重要です。


井上:最後に、川山社長にとってこれからの「食」、新しいビジョン、やっていきたいことなどをお聞かせいただけますか?

川山:環境に優しく、安全で、時代に合った商品を作っていくこと、そして、お客さまに選んでいただける食器を作ることが重要なので、自己満足ではない企画力ですよね。永遠の課題だと考えています。


井上:お伺いしたい話題が多く、たくさんの質問をさせて頂きました。本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

ツーショット写真
 

 

井上祐子様には、各業界の方々の『食』やその人の人物像にフォーカスするインタビュー企画のMCとしてご協力いただきます。今後もお楽しみに!

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