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株式会社東京天竜様

食の安全に関して大切にしていること

「時代の荒波を越えながら、食の安全と雇用を守り抜く」

株式会社東京天竜様

設立   1972年1月14日
住所 東京都文京区本郷二丁目2720号 本郷センタービル7
ホームページ https://tokyo-tenryu.co.jp/
事業内容

給食事業:学校・福祉施設・病院・保育園等の給食業務 企業の社員食堂運営

外食事業:飲食店の運営 洋菓子の製造・販売

美容事業:美容室の運営

ご担当者様

代表取締役 東雅臣 様
栄養衛生課 森裕美 様

 株式会社東京天竜様ロゴ
取材日 2025年7月9日
株式会社東京天竜様写真(左)代表取締役 東雅臣様、(右)栄養衛生課 森裕美様

給食・外食事業や美容事業など、多角的にビジネスを展開する株式会社東京天竜様ですが、特に基幹事業である給食事業においては、農林水産省「優良外食産業表彰」や、経済産業省「雇用創出企業」選出など、その品質と社会貢献性で高い評価を受けています。そんな株式会社東京天竜様の、事業の成り立ちと変遷について教えてください。

東社長:会社の設立は1972年ですが、そのルーツはもう少し前に遡ります。もともと私の祖父は大阪で「天竜株式会社」という会社を経営していました。

そして1966年、大阪のお客様から「東京でも食堂をやってほしい」との強いご依頼を受け、当時祖父の会社にいた私の父が、東京支店の責任者として単身赴任したのが始まりです。その後、資本的に独立し、現在の「株式会社東京天竜」が設立されました。

東社長

当初はどのような事業が中心だったのでしょうか?

東社長

東社長:創業当時は、主に企業様の福利厚生のアウトソーシング、具体的には社員食堂や寮の食事管理を請け負っていました。特に、当時飛ぶ鳥を落とす勢いであった某アパレルメーカー様の仕事が売上の多くを占めており、はたから見れば子会社のような関係性でしたね。

私自身は、父から後を継げと言われたことは一度もなく、ごく普通の会社に就職しました。その後、私も「東京天竜」に入社するわけですが、当時はまだ事業所が11ヶ所、従業員も60数名ほど。父と二人三脚で会社を切り盛りしていくのは、決して楽なものではありませんでした。さらに私が入社して数年が経った頃、バブルが崩壊したのです。

時代の変化は、御社の事業にどのような影響を与えましたか?

社長:昭和から平成への移行期は、大きな社会の変動がありました。昭和の時代、外食はまだ特別で、飲食店の数も少なかったものですから、安くて身近な社員食堂は、従業員に非常に重宝されていました。また、ワンルームマンションなども普及しておらず、労働力を確保するために、社員寮は不可欠な存在だったのです。

しかし、平成に入ると状況は一変します。バブル崩壊後、多くの企業が深刻な経営不振に陥り、福利厚生費を削減せざるを得なくなりました。自社で食堂や寮を維持する体力がなくなった代わりに、食事手当や住宅手当を現金で支給し、従業員が各自でやりくりするスタイルが主流になりました。

その流れを後押ししたのが、外食チェーンやコンビニエンスストアの急速な普及です。安くて美味しい選択肢が街に増え、働く側も、社員食堂よりも、気ままに外で食事を済ませることを好むようになりました。私たちの主な取引先だったアパレルメーカー様も例外ではなく、食堂や寮の規模を縮小していきました。私が入社したのは、その渦中だったわけです。

社員食堂の需要が減るなかで、どのように活路を見出されたのですか?

東社長・森様

東社長: 私たちが注目したのは、病院給食です。平成元年に法律が改正され、それまで直営が原則だった病院給食の民間委託が可能になったのです。私は直感的に「これからは病院給食の時代だ」と考えました。しかし、私たちには病院給食に関するノウハウがありません。そこで私は、当時その分野の最先端を走っていた企業に、嘱託社員として入らせてもらうことにしたのです。

私は嘱託先の企業の営業として、足繁く病院や特別養護老人ホームに足を運びました。しかし当時はまだ、「病院給食を外部に委託する」という発想自体が医療現場に浸透しておらず、成約は非常に険しいものでした。

現場の仕事も泥臭くこなしました。最終的に担当する嘱託先は40カ所にもなりましたが、各現場で、調理から配膳、人員整理まで、文字通りあらゆる業務をやりましたね。ベテランパートさんたちに叱咤激励されながら・・・正直に言えば、朝から晩までこき使われながら(笑)、最初はリンゴの皮すらまともに剥けなかった私が、最後は切った野菜を手に持った瞬間に、そのグラム数がピタリとわかるまでになりました。

大変な努力をされたのですね。そんななか、最初に着手されたのが、学校給食事業だったと聞きました。

東社長: はい。学校給食の民間委託は、昭和60年から解禁されていました。こちらもすぐには広まりませんでしたが、平成10年前後から、委託化の波が訪れ始めていました。

我々にとって大きな転機となったのは、平成9年の夏です。茨城県のとある市で、学校給食の指名競争入札に奇跡的に呼んでいただけたのです。そして、3校中1校を落札することができたのです。学校給食という事業は、会社の規模や資本力よりも、まず「実績」が重視されます。この最初の1校の実績が信頼を生みました。

東社長

外食・給食事業において、衛生管理は最も重要だと思いますが、どのような取り組みをされましたか?

東社長

東社長:学校給食を始めた当初は、衛生に関する考え方が地域や現場の栄養士さんによってバラバラで、今思えば皆が素人だったような状態でした。文部科学省や厚生労働省でさえ、明確な指導基準が確立されていなかった時代です。

大きな転機は、平成8年に発生した、腸管出血性大腸菌O157による食中毒事件です。これを機に、国の基準も厳格化され、例えば保存食の保管期間が冷蔵で48時間から、冷凍で2週間へと変更されました。我々もすぐさま全事業所に冷凍庫を導入し、対応しました。

さらに平成13年ごろからは、厨房内の湿度を徹底的に下げて細菌の増殖リスクを減らす「ドライシステム」の導入を、他社に先駆けて推進しました。この頃から、食品衛生に対する社会の常識も、我々がアクセスできる情報量も、劇的に変わっていきましたね。

町田予防衛生研究所をご利用いただくようになったきっかけを教えてください。

東社長: 取引先からのご紹介だったと思います。決め手になったのは、検査結果が出るまでの圧倒的なスピード感でした。食の安全は、時間との戦いですから。また、「現場の厨房の点検もお願いしたい」という我々の要望に対して、面倒な顔ひとつせず、フットワーク軽くスピーディに対応してくださったことも、信頼につながりました。

森様:私は現場の衛生管理を担当していますが、御社のシステムは検査結果をWebで迅速に確認できるので、非常に助かっています。特筆すべきは、厨房の拭き取り検査などの結果が、具体的な汚染度を示す「数値」として目に見える形で示されることです。これにより、現場スタッフの衛生意識が劇的に向上しました。「自分のこの手洗いの方法では、まだこれだけの菌が残っているんだ」という事実を突きつけられることで、指導する側の私たちが口うるさく言う以上に、スタッフ自身が改善の必要性を自覚してくれています。

森様

衛生管理に関する講習会だけでなく、「働き方」や「生き方」に関する講習会もご採用いただいていますね。

東社長

東社長:現場の仕事は、ともすれば単調な「作業」になりがちです。しかし、それを意味のある「仕事」にするためには、しっかりとした考え方のフレームワークと、円滑なコミュニケーション能力が不可欠だと考えています。

仕事の場において、相手に不快感を与えず、モチベーションを高め、成長へとつなげる話し方ができなければ、良いチームは作れません。最大のコミュニケーションツールである言葉の使い方を学び、訓練することは、仕事で困らなくなるだけでなく、ひいてはその人の人生そのものを豊かにすると信じています。

私は、従業員に「会社は、お金をもらいながら人生の訓練ができる場所だよ」と話しています。例えば給食の仕事で身につけた調理技術や栄養知識は、子育てに必ず役立ちます。仕事を通じて得たスキルや考え方が、彼らの人生をトータルで豊かにする手助けになれば、経営者としてこれ以上の喜びはありません。「この会社で働いて良かった」と心から思えるような会社にしたい、という思いが、常に根底にあるんです。

その思いが、パートを含む全従業員2,000名の終身雇用という制度につながっているのでしょうか。

東社長:そうですね。この業界では、事業所の契約期間に合わせた有期雇用が一般的です。そんな中で終身雇用を宣言したときは、同業の経営者たちから「馬鹿じゃないか」「そんなことをしていたら、いつか会社が潰れるぞ」と、それはもう散々言われました(苦笑)。

でも、働く側からすれば、いつ契約が終わるか分からない状態では、安心して生活の設計ができないでしょう。終身雇用制の採用が、他社との明確な差別化になるという戦略的な側面も、もちろんあります。

ですが、さらに根底にあるのは、「縁あってうちの会社に入ってくれたのだから、その人生に経営者として責任を持つ」という、私個人の覚悟です。格好つけるわけではありませんが、私は社員に「君たちの人生を、ともに背負って立つ覚悟があるよ」と日々伝えています。

その思いが、必ずしも全員に通じるわけではなく、時には「片思い」に終わることもあります。それでも、自分の子どもに対するように、諦めず伝え続けていくつもりです。

東社長・森様

最後に、弊社に期待されることがあればお聞かせください。

東社長:ともに、事業を「持続」させていくことこれに尽きます。我々の給食事業も、そして御社の衛生管理事業も、「この瞬間だけ良ければいい」というものではありません。物を買って終わり、ではありませんから。その終わりのない闘いのなかで、我々だけでは知り得ない専門的な情報をご提供いただいたり、プロとしての的確なアドバイスをいただいたり、そして未来の新たなリスクに対応するための知見を共有していただくこと。それこそが、我々がパートナーとしてお付き合いを続けていく価値がさらに高まる点だと感じています。

東京天竜様集合写真本日は大変貴重な話を聞かせていただき、ありがとうございました。 
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