株式会社木下製餡様
食の安全に関して大切にしていること
「徹底した衛生管理が支える、老舗の「のれん」と誇り」
株式会社木下製餡様
| 設立 | 1931年 |
|---|---|
| 住所 | 埼玉県さいたま市大宮区桜木町4-431-1 |
| ホームページ オンラインショップ |
https://kinoshitaseian.com/ https://ankodoki.com/ |
| 事業内容 |
各種製餡・羊羹製造・その他加工 |
| ご担当者様 |
代表取締役 木下大輔 様 |
株式会社木下製餡様は、今年で創業95年目を迎えられました。埼玉県を中心に、日本全国の企業へ原料となる質の高いあんこを供給されています。
木下様:ありがとうございます。御社担当の土田さんとは長いおつきあいになりますね。以前、私たちが「新しい挑戦をしよう」としていたタイミングで、いろいろとご相談に乗っていただいたことを覚えています。
そのとき、土田さんが同じ目線で真摯に向き合ってくださった。当時築き上げた衛生管理体制が、今の私たちの土台になっています。
ありがとうございます。大変励みになります! 令和7年1月に4代目に就任された木下社長から、御社の理念についてお聞かせいただけますか。
木下様:幼い頃から、幾度となく言い聞かされてきたことがあります。一つは、業務用の原料を供給する企業として「お客様の『のれん』を預かっているという意識を持ちなさい」ということです。 例えば和菓子屋さんやパン屋さんで使うあんこが美味しくなかったり、衛生管理に不備があったりすれば、それを使った大福やあんぱんの価値まで損なわれてしまいます。お客様の『のれん』、つまりブランドを傷つけることは、そのお店の歴史や信頼を傷つけることでもあるため、「その責任の重さを常に自覚せよ」と教えられてきました。
そしてもう一つは「良いあんづくりは、良い原料から」。埼玉県は穏やかな気候に恵まれ、さまざまな農作物が採れる農業県です。私たちはできる限り、地域で栽培された良質な農作物―小豆はもちろん、芋やイチゴ、柚子、梅などを使い、この地ならではのあんこを作っています。農家さんのもとへと、定期的に産地へ足を運び、その想いやこだわりを聞いて、どのように仕立てたら素材が活きるのか、考えを巡らせながらあんこを作っています。
経営において、大切にされていることを教えてください。
木下様:「あんこ作りは、人作り」です。 私は、中小企業で働く意味は「働いた分だけ豊かになれること」にあると考えています。ですから、会社の利益が出た分は、働く環境の整備として必ず還元するようにしています。また、この方針を社員一人ひとりに共有し、同じ方向を向くことを常に心がけています。
2年前には直営店「あんこどき」およびオンラインショップがオープンし、「あんこどき ひとくちようかん」が「埼玉県新商品AWARD 2024」食品カテゴリーの大賞に選出されました。
木下様:ありがとうございます。直営店をオープンした理由の一つに、「あんこの魅力を直接発信したい」という強い思いがありました。あんこは植物性でアレルギーの心配が少なく、添加物を使わずに作ることもできる、非常にポテンシャルの高い食品です。
その魅力を、直接お客様にお届けできる場が必要だと考えたのです。直営店があることで、お客様と従業員が直接やりとりする機会が増えました。また、お客様の喜ぶお顔を直接拝見することが、従業員のやりがいや誇りにも繋がっています。
衛生管理の取り組みについて、教えてください。
木下社長:今、世の中は健康志向により「低糖」が大きなトレンドになっています。昔のように糖度が高ければ、菌の増殖をある程度抑えることができましたが、低糖になるほど菌は増殖しやすくなります。そのため、衛生管理のレベルを以前よりも高めなければならず、難易度は上がっています。しかし、その難しさに挑戦することにこそ「あんこ屋」としてのやりがいがあると感じています。
2020年には衛生管理の基準になるJFS-B規格の適合証明を取得しました。また、そのことをきっかけに、製造環境や作業手順といった会社全体のルールを、社員が一丸となって、一つひとつ見直してきました。まずは全員で初歩的な勉強会からスタートし、製造工程を一つひとつ洗い出す。すると、思わぬリスク(危害)が見つかることがあります。それを徹底的に改善し、「今後はどんなことがリスクになり得るか」を皆で考えながら、仕組みを一から作り上げてきたのです。
こうした取り組みを経営者だけで進めても、現場にはなかなか浸透しないものです。私たちは全員で一緒に作り上げることができましたが、これも中小企業ならではの強みだと感じています。
弊社に期待する点を教えてください。
木下様:JFS-B規格の適合証明取得だけでなく、細菌検査やふき取り検査などもお願いしています。世の中には多くのコンサルティング会社がありますが、御社は「マニュアルを作って終わり」ではありません。
私たちの思いに寄り添い、現場の状況を深く理解したうえで、「どうすれば実現できるか」をともに模索してくださる姿勢こそが、御社の最大の魅力だと感じています。
ありがとうございます! 大変励みになります。御社の、今後の展望をお聞かせください。
木下様:私たちは海外にもあんこを輸出しています。従来、欧米では甘い豆を食べる習慣があまりなかったのですが、最近ではヨーロッパにどら焼き工場ができるなど、あんこの可能性が世界的に広がりつつあり、弊社の海外輸出量も年々増えております。
そういった状況に伴い、今後はFSSC22000規格やハラル認証など、より高度な衛生管理や多様なニーズへの対応も視野に入れています。
創立100周年を前に、未来への思いをお聞かせください。
木下様:先ほどもお話しした通り、中小企業だからこそ、社員の豊かさにはとことんこだわりたいと考えています。日本では残念ながら、職人の高度な技術が「安く買い叩かれる」といった現状が一部にあります。そうさせないためには、ドイツのマイスター制度のように、技術が正当に評価される仕組みが必要です。
安売り競争に走るのではなく、誇りを持って「価値ある製品」を適正な価格でお届けしていく。それこそが、次の100年に向けた私たちの使命だと思っています。
確かな技術と信頼が、次の100年を支える大きな力になりますね。
木下様:ホームページに工場の動画を掲載しているのですが、撮影の際、改めて気づかされたことがあります。それは、社員たちの「所作の美しさ」です。20年、30年と同じ作業を積み重ねてきたからこその、無駄のない洗練された動き。それは単なる効率化の結果ではなく、日本の「和」の精神にも通じる美しさでした。
私は社員たちに、「君たちのこの動きこそが、我が社の誇りなんだよ」と、ありのままの想いを伝えました。清潔な工場で、誇りを持った職人が、美しい所作であんこを炊く。この当たり前のような光景こそが、お客様への「安心」の裏付けなのだと確信しています。
これからも、伝統という名の「のれん」を大切に守りながら、世界で一番信頼される「あんこ屋」を目指して歩み続けたいと思います。その「伴走者」として、ぜひこれからも、お力添えください。
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