教えて衛生管理 ~置き方で菌が大増殖!スポンジの正しい保管方法~

教えて衛生管理では、実際現場で指導した内容や会話のやり取りから、どのような管理が適切なのかを掲載しています。それでは、とある飲食店現場でのコンサルタントと店舗従業員との会話のやり取りを聞いてみましょう。
今回のテーマ:置き方で菌が大増殖!スポンジの正しい保管方法
1.スポンジの菌の増殖メカニズム
2.スポンジの正しい保管方法
3.避けるべきNG保管方法
4.まとめ
スポンジは調理環境の清掃や食器の洗浄に欠かせない道具ですが、その管理方法を誤ると、逆に汚染源となってしまうことがあります。スポンジは湿気や汚れを吸収しやすい特性を持ち、また、湿った環境は食中毒菌など細菌の温床となるため、そのスポンジで食器を洗うたびに菌を広げてしまう恐れがあります。そこで、スポンジの正しい保管方法と菌の増殖を防ぐポイントを詳しく解説します。
1.【スポンジの菌の増殖メカニズム】
スポンジは水分を含みやすく、食べカスや油分が付着・残留しやすいため、細菌が繁殖する条件が揃っています。特に30℃付近の温度帯では細菌が活発に増殖し、湿ったまま放置すると数時間で菌の数が何倍にも増えることがあります。
2.【スポンジの正しい保管方法】
スポンジの保管方法によって、菌の増殖を抑えることが可能です。以下のポイントを押さえましょう。
・使用後はしっかり洗う
食器洗い後のスポンジには食べカスや洗剤の残りが付着しています。流水でよくすすぎ、汚れを完全に落としましょう。
・水気をしっかり切って通気性の良い場所で乾燥させる
スポンジを絞って水気をできるだけ取り除きます。水分が残ると細菌が繁殖しやすくなるため、しっかり乾燥させることが重要です。また、シンクの底や密閉容器に置くと湿気がこもり、菌が増殖しやすくなります。スポンジラックやピンチで吊るすなど、通気性の良い場所に保管しましょう。
・定期的に除菌する
スポンジの除菌方法として、塩素系漂白剤を薄めた液に浸す方法や熱湯消毒があります。特に1日の終わりに除菌を行うことで、菌の増殖を抑えられます。
3.【避けるべきNG保管方法】
以下の方法は、スポンジの汚染を拡大させる可能性があるため、絶対に避けましょう。
・濡れたままシンクに置く
湿った環境は菌の繁殖を助長するため、必ず乾燥させてから保管しましょう。また、乾燥させていないスポンジを重ねて保管することも避けましょう。下の方のスポンジや接触面に水分と汚れが溜まり、菌が繁殖する恐れがあります。
・密閉容器に入れる
通気性が悪くなると湿気がこもり、菌が増えやすくなります。密閉容器ではなく、風通しの良い場所に置くことが大切です。
・長期間使い続ける
スポンジは消耗品です。定期的に交換し、衛生的な状態を保ちましょう。劣化部分には汚れが溜まりやすく、洗浄を十分に行えなくなったり、異物源になる恐れもあります。
4.【まとめ】
当社の衛生点検でも、作業場内にスポンジがシンク内で直置きしている状態や古いスポンジを捨てずに新しいスポンジと重ね置きされている事例をよく見かけます。(スポンジは調理環境を衛生的に保つ上で欠かせないツールですが、その管理を怠ると逆効果となる可能性があります。)上記の方法を実践することで、スポンジの適切な管理を徹底し、衛生的な調理環境を守りましょう。
Written by
株式会社町田予防衛生研究所
町田予防衛生研究所は、食の安全に関わる各種検査やコンサルティングなど幅広く商品・サービスを取り揃え、ワンストップで食の安全をサポートする企業です。
本社所在地
〒194-0013
東京都町田市原町田3-9-9
許可等
食品衛生のお役立ち掲示物ダウンロード
現場ですぐに使える「食品衛生のお役立ち掲示物」をご用意しております。
ダウンロードして印刷すれば、すぐにご利用いただけます。