教えて衛生管理 ~食品の期限に関するお話~

教えて衛生管理では、実際現場で指導した内容や会話のやり取りから、どのような管理が適切なのかを掲載しています。それでは、とある飲食店現場でのコンサルタントと店舗従業員との会話のやり取りを聞いてみましょう。
今回のテーマ:食品の期限に関するお話
1.消費期限と賞味期限について
2.期限表示について
3.英語の期限表示について
4.まとめ
1.【賞味期限消費期限について】
期限表示には、消費期限と賞味期限の2つがあります。
・「消費期限」とは、定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質(状態)の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日のことで、開封前の状態で定められた方法により保存すれば食品衛生上の問題が生じないと認められるものです。このため、「消費期限」を過ぎた食品は食べないようにしてください。
・「賞味期限」とは、定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日のことです。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあります。このため、「賞味期限」を過ぎた食品であっても、必ずしもすぐに食べられなくなるわけではありませんので、それぞれの食品が食べられるかどうかについては、消費者が個別に判断する必要があります。
※消費者庁:「加工食品の表示に関する共通Q&A (第2集:消費期限又は賞味期限について)」より
消費期限・賞味期限は、未開封の状態で、表示に示された方法・温度帯(食品表示の「保存方法」の条件)で保存した場合の期限になります。開封後は、食品に空気が触れ酸化したり、微生物が付着するなどの恐れがあります。
調味料を含めて、食品の包装を開封した際には開封日や、それぞれの食品の特性に合わせて設定した使用期限(開封後)を明記し、日付管理を行って下さい。

2.【期限表示について】
食品の期限表示には複数の表記があります。
例えば、消費期限(または賞味期限)が2025年(令和7年)4月30日の場合
「消費期限 2025.4.30」
「消費期限 07.4.30」
「賞味期限 20250430」
「賞味期限 25.4.30」 など
※詳細は消費者庁が発行している「加工食品の表示に関する共通Q&A (第2集:消費期限又は賞味期限について)」をご参照下さい。
また、冒頭の会話で従業員が質問した「賞味期限 2025年4月」は2025年4月30日までの賞味期限となります。賞味期限の表記が「年・月」の場合はその月の末日までが期限です。
3.【英語の期限表示について】
輸入品の食品を取り扱う事もあるかと思います。外国ではどの様な表記になっているのか、英語表記について一例を挙げます。
英語表記では下記の表記があります(ほんの一例で他の表記もあります)
例)
「exp :02/07/2025」
※exp:expiration(date)の略
「BEST BEFORE:02/07/2025」
「BEST BY:02/07/2025」 など
また、アメリカとイギリスでは月と日の表記の順番が異なり、
アメリカ:月/日/年
イギリス:日/月/年
となります。例えば「02/07/2025」については
アメリカ:2025年2月7日
イギリス:2025年7月2日
となります。
因みに食品表示上の「PD」の表示は「Production date」の略で「製造日」を意味します。
4.【まとめ】
当社の衛生点検でも、作業場内に消費・賞味期限切れの食品が置いてあり指摘することがあります。また、開封当日や短期間で使い切ってしまうもの以外で開封日や使用期限(開封後)が明確にされていないものについて、アドバイスすることもあります。
期限切れの食品を使用しない為にも、棚卸の時など定期的に期限切れの食品が厨房内に残っていないか確認しましょう。また期限切れが近づいている食品は他の食品とは別にして一か所にまとめるなどして、日付管理を徹底しましょう。
Written by
株式会社町田予防衛生研究所
町田予防衛生研究所は、食の安全に関わる各種検査やコンサルティングなど幅広く商品・サービスを取り揃え、ワンストップで食の安全をサポートする企業です。
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〒194-0013
東京都町田市原町田3-9-9
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