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食中毒の発生状況を総まとめ(2018~2022年)

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今回は厚生労働省の食中毒統計資料に基づいて、『事件』、『患者』、『死者』として記録されている過去5年間の食中毒の状況についてまとめました。この記事の中で各食中毒の原因となる菌やウイルスなどの特徴やどのようなポイントに注意すればよいかをまとめた記事についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

※2020年12月15日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2023年6月22日に再度公開しました。



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1. 過去5年間の食中毒事件数・患者数・死者数

  2018年  2019年  2020年  2021年  2022年 
事件数  1,330  1,061  887  717  962 
患者数  17,282  12,637  14,613  11,080  6,856 
死者数 

厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2018年~2022年のデータを基に作成



2021年と比較して、2022年は患者数が大幅に減少しましたが、事件数と死者数は増加しました。

食中毒事件数・患者数の推移グラフ

厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2018年~2022年のデータを基に作成

 

 

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2. 患者数が500人を超える食中毒事例

過去5年間で患者数が500人を超える事例については下表のとおりです。

発生年月   発生場所  原因施設  原因食品  原因物質  患者数  摂食者数  死者数 
2018年6月  京都府  給食施設  不明  ウエルシュ菌  621  1,132 
2018年12月  広島県  仕出屋  不明  ノロウイルス  550  不明 
2020年6月  埼玉県  飲食店  海藻サラダ  その他の病原大腸菌  2,958  6,762 
2020年8月  東京都  仕出屋  不明  その他の病原大腸菌  2,548  37,441 
2020年12月  山形県  仕出屋  不明  ノロウイルス  559  1,983 
2021年4月  岡山県  仕出屋  不明(令和3年4月26日から29日に提供の給食弁当) ノロウイルス  2,545  6,453 
2021年6月  富山県  製造所  牛乳  その他の病原大腸菌  1,896  6,243 

厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2018年~2022年のデータを基に作成



ノロウイルスによる食中毒事故は事故件数、患者数ともに毎年多く、患者数が500人を超える事例も散見されます。一方で2022年は患者数が500名を超える大規模な食中毒事故は発生しませんでした。

 

【ウエルシュ菌】

ウエルシュ菌による食中毒は、別名「給食病」とも呼ばれ、カレーや煮込み料理等、大鍋で大量に調理し、作り置かれていた食品が原因となることが多くあります。100℃で1時間の加熱にも耐える熱に強い芽胞を作り、通常の加熱調理では死滅しないため注意が必要です。

ウエルシュ菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「ウエルシュ菌食中毒の症状や特徴、予防対策について
ウエルシュ菌食中毒のリスクを見える化するには
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【ノロウイルス】

ノロウイルスは感染力が強く、集団感染のリスクの高いウイルスです。カキなどの二枚貝の喫食による食中毒が有名ですが、不顕性感染者(感染しているが症状がないまたは軽症)から食材を二次汚染し食中毒につながることも十分に気を付けなければなりません。

ノロウイルスの特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「ノロウイルス食中毒の症状や特徴、予防方法について
ノロウイルス検便で不顕性感染者の発見が大切です。
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ノロウイルスによる環境の汚染を確認するには
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【その他の病原大腸菌】

多くの大腸菌は無害ですが、一部の、特に人体に悪影響を与えるものを病原大腸菌といいます。

病原大腸菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「病原大腸菌による食中毒の種類や事故事例について
病原大腸菌による食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
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3. 死者が発生した食中毒事例

過去5年間で死者が発生した食中毒事件は下表のとおりです。

発生年月   発生場所  原因施設  原因食品  原因物質  死者数  患者数  摂食者数 
2018年4月  北海道  家庭  イヌサフラン  植物性自然毒 
2018年7月  北海道  家庭  イヌサフラン  植物性自然毒 
2018年9月  三重県  家庭  ニセクロハツを家庭で調理した食品  植物性自然毒 
2019年1月  奈良県  仕出屋  不明  ノロウイルス  81  184 
2019年4月  群馬県  家庭  イヌサフランの炒め物  植物性自然毒 
2019年6月  秋田県  家庭  山菜の炒め物(イヌサフラン)  植物性自然毒 
2019年12月  広島県  家庭  フグ  動物性自然毒 
2020年1月  鹿児島県  家庭  グロリオサ球根(推定)  植物性自然毒 
2020年8月  栃木県  家庭  キノコの油炒め  植物性自然毒 
2020年10月  徳島県  家庭  ふぐ(種類不明)  動物性自然毒 
2021年4月  沖縄県  老人ホーム  4月13日に当該施設で調理された春雨の和え物  サルモネラ属菌  11  179 
2022年4月  宮崎県  家庭  グロリオサ  植物性自然毒 
2022年4月  秋田県  家庭  イヌサフラン  植物性自然毒 
2022年8月  京都府  販売店  令和4年8月21日から同月27日に提供された肉総菜(レアステーキ、ローストビーフ) 腸管出血性大腸菌  40  41 
2022年9月  北海道  不明  イヌサフラン  植物性自然毒  不明 
2022年9月  青森県  飲食店  ふぐ(マフグ(推定))(自分の夕食)  動物性自然毒 

厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2018年~2022年のデータを基に作成

食中毒による死亡事例の多くは、有毒の植物や生物を誤食することが原因となりますが、腸管出血性大腸菌やサルモネラ菌などの細菌性食中毒、ノロウイルスでも起こっており、十分に注意が必要です。

【植物性自然毒】

植物性自然毒はキノコと高等植物に大別されます。

キノコ
ツキヨタケやクサウラベニタケ、テングタケ・イボテングタケが有名です。
食用と判断できないキノコは絶対に「採らない」「食べない」「人にあげない」が特に重要です。
東京都福祉保健局 食品衛生の窓 キノコ食中毒

高等植物
スイセンやトリカブト、ヨウシュウヤマゴボウなどが有名です。
植物の新芽、若葉や根、実など一部分を見ただけでは、有毒植物と食用植物とを見分けることが難しい場合があります。
東京都福祉保健局 食品衛生の窓 間違えやすい有毒植物

厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル


【動物性自然毒】

すぐに思い浮かぶのはフグではないでしょうか?
フグの体内に含まれるテトロドトキシン(TTX)がフグの喫食による食中毒の主な原因です。過去には死亡例も報告されています。
国内では都道府県知事等が認めた専門のフグ処理者により調理されたフグが消費者に提供されていますが、釣ったフグを家庭で調理し喫食したことによる食中毒事故が起こっています。自分で釣ったフグ又は知人から譲り受けたフグの素人調理は絶対に止めてください。
厚生労働省 安全なフグを提供しましょう

フグ以外の有毒な魚や二枚貝、巻貝の喫食による食中毒もあります。
厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル

 

【サルモネラ属菌】

サルモネラ属菌は多くの家畜や動物の体内に生息し、乾燥に強い菌です。
特に鶏肉や鶏卵の加熱不足や生食が発症の原因となることが多いとされます。

サルモネラ属菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「サルモネラ食中毒の症状や特徴、予防方法について
サルモネラ食中毒のリスクを見える化するには
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【腸管出血性大腸菌】

腸管出血性大腸菌は人の腸管内でベロ毒素(vero toxin ; VT)と呼ばれる毒素を産生し、その毒素により出血性の大腸炎を引き起こす細菌性の食中毒です。中でもO157が有名で少量でも発症しやすく、場合によっては重篤な症状を伴う特徴があります。

腸管出血性大腸菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「O157等の腸管出血性大腸菌食中毒の症状や特徴、予防方法について
腸管出血性大腸菌食中毒のリスクを見える化するには
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食品の安全を脅かす危害は、「生物学的危害」「物理的危害」「化学的危害」の3つに分類されます。
なかでも主に微生物を原因とする「生物学的危害」は、実際に発生した飲食関連の事故のうち約9割を占めるといわれています。
目には見えない微生物を検査によって「見える化」し、その状態を把握することが、微生物のコントロールには必須です。

食品微生物検査では、食品の種類・製造工程・保存条件など、検査対象の状況とその目的に応じて、衛生指標菌検査と食中毒菌検査を組み合わせて行われます。
その結果から、食中毒予防やリスク低減につなげることが可能です。

また、専門機関で検査することで、検査結果から改善のアドバイスが受けられます。より安心して食品をお客様に提供しましょう。
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