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食中毒の発生状況を総まとめ(2021~2025年)

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今回は厚生労働省の食中毒統計資料に基づいて、『事件』、『患者』、『死者』として記録されている過去5年間の食中毒の状況についてまとめました。この記事の中で各食中毒の原因となる菌やウイルスなどの特徴やどのようなポイントに注意すればよいかをまとめた記事についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

※2025年5月7日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2026年5月18日に再度公開しました。

 


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1. 過去5年間の食中毒事件数・患者数・死者数

  2021年  2022年  2023年  2024年  2025年 
事件数  717 962 1,021 1,037 1,172 
患者数  11,080 6,856 11,803 14,229 24,727 
死者数  2 5  4 3 2 


厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2021年~2025年のデータを基に作成




2025年の事件数は2021年から少しずつ増えていますが、患者数は大きく増えています。特に2024年から2025年は10,000人以上増えていることがわかります。
2022年と比較すると、患者数が3倍以上に増えています。

食中毒事件数・患者数の推移グラフ

厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2021年~2025年のデータを基に作成

 

 

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2. 患者数が500人を超える食中毒事例

過去5年間で患者数が500人を超える事例については下表のとおりです。

発生年月   発生場所  原因施設  原因食品  原因物質  患者数  摂食者数  死者数 
2021年4月 岡山県 仕出屋 不明(4月26日~29日に提供の給食弁当) ノロウイルス 2,545    6,453  0 
2021年6月 富山県 製造所 牛乳 その他の病原大腸菌 1,896  6,243  0 
2023年8月 石川県 飲食店 月11日~17日に提供の湧水を使用した食事 カンピロバクター・ジェジュニ/コリ 892  1,298  0 
2023年9月 青森県 製造所 9月15日、16日に製造した弁当 その他 554  不明  0 
2024年8月  大分県  飲食店   湧水、飲食店提供料理(8/3~8/13に提供された食事) ノロウイルス 595    1,304  0 
2025年1月 愛知県 仕出屋 不明(1月30日から2月1日までに製造された弁当) ノロウイルス            769  1,805  0 
2025年2月 兵庫県  仕出屋 令和7年2月8日(土)に提供された弁当 ノロウイルス     2,307  4,832  0 


厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2021年~2025年のデータを基に作成



ノロウイルスによる食中毒事故は事故件数、患者数ともに例年多く、患者数が500人を超える事例も散見されます。また2023年はカンピロバクター・ジェジュニ/コリによる大規模な食中毒事故が発生しました。

 

【カンピロバクター・ジェジュニ/コリ】

カンピロバクター・ジェジュニ/コリによる食中毒は、少ない菌数で発症するとされており、加熱不良の食品を提供した場合には、食中毒事故につながりやすいといえます。

カンピロバクター属菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「カンピロバクター食中毒の症状や特徴、予防方法について」
カンピロバクター食中毒のリスクを見える化するには
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【ノロウイルス】

ノロウイルスは感染力が強く、集団感染のリスクの高いウイルスです。カキなどの二枚貝の喫食による食中毒が有名ですが、不顕性感染者(感染しているが症状がないまたは軽症)から食材を二次汚染し食中毒につながることも十分に気を付けなければなりません。

ノロウイルスの特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「ノロウイルス食中毒の症状や特徴、予防方法について」
ノロウイルス検便で不顕性感染者の発見が大切です。
>>ノロウイルス検便のページへ
ノロウイルスによる環境の汚染を確認するには
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【その他の病原大腸菌】

多くの大腸菌は無害ですが、一部の、特に人体に悪影響を与えるものを病原大腸菌といいます。

病原大腸菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「病原大腸菌による食中毒の種類や事故事例について」
病原大腸菌による食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
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3. 死者が発生した食中毒事例

過去5年間で死者が発生した食中毒事件は下表のとおりです。

発生年月   発生場所  原因施設  原因食品  原因物質  死者数  患者数  摂食者数 
2021年4月  沖縄県  老人ホーム  4月13日に調理の春雨の和え物  サルモネラ属菌  1  11  179 
2021年5月 北海道 家庭 イヌサフラン 植物性自然毒 1     1  1 
2022年4月  宮崎県  家庭  グロリオサ  植物性自然毒  1  1  1 
2022年4月  秋田県  家庭  イヌサフランの天ぷら  植物性自然毒  1  1  1 
2022年8月  京都府  販売店  8月21日~27日に提供の肉総菜(レアステーキ、ローストビーフ) 腸管出血性大腸菌  1  40  41 
2022年9月  北海道  不明  イヌサフラン  植物性自然毒  1  1  不明 
2022年9月  青森県  飲食店  ふぐ(マフグ(推定))(自分の夕食) 動物性自然毒  1  1  1 
2023年1月 栃木県 老人ホーム 不明(1月17日、18日に提供の食事) その他のウイルス 1  28  92 
2023年6月  福岡県  飲食店  鶏肉のトマト煮(施設給食)  その他の病原大腸菌  1  19  41 
2023年8月  和歌山県  仕出屋  8月19日、20日に調理・提供の料理  サルモネラ属菌  1  117  384 
2023年10月 北海道  家庭  ドクツルタケ(推定) 植物性自然毒  1  2  2 
2024年4月 北海道 家庭 イヌサフラン(推定) 植物性自然毒 2      2  2 
2024年7月 長野県 事業場 7月20日の夕食として調理した野生キノコ(ドクツルタケ、コテングタケモドキ(推定)) 植物性自然毒 1        1  1 
2025年6月 岡山県 家庭 イヌサフラン 植物性自然毒 1  1  1 
2025年8月 北海道 仕出屋 令和7年8月25日(月)に原因施設で調理し、提供された弁当 腸炎ビブリオ 1  144  692 

厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2021年~2025年のデータを基に作成


食中毒による死亡事例の多くは、有毒の植物や生物を誤食することが原因となりますが、腸管出血性大腸菌やサルモネラ属菌などの細菌性食中毒、ノロウイルスでも起こっており、十分に注意が必要です。
2025年8月に発生した腸炎ビブリオによる食中毒事故により、死者が発生しております。

【植物性自然毒】

植物性自然毒はキノコと高等植物に大別されます。

キノコ
ツキヨタケやクサウラベニタケ、テングタケ・イボテングタケが有名です。
食用と判断できないキノコは絶対に「採らない」「食べない」「人にあげない」が特に重要です。
東京都福祉保健局 食品衛生の窓 キノコ食中毒

高等植物
スイセンやトリカブト、ヨウシュウヤマゴボウなどが有名です。
植物の新芽、若葉や根、実など一部分を見ただけでは、有毒植物と食用植物とを見分けることが難しい場合があります。
東京都福祉保健局 食品衛生の窓 間違えやすい有毒植物

厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル


【動物性自然毒】

すぐに思い浮かぶのはフグではないでしょうか?
フグの体内に含まれるテトロドトキシン(TTX)がフグの喫食による食中毒の主な原因です。過去には死亡例も報告されています。
国内では都道府県知事等が認めた専門のフグ処理者により調理されたフグが消費者に提供されていますが、釣ったフグを家庭で調理し喫食したことによる食中毒事故が起こっています。自分で釣ったフグ又は知人から譲り受けたフグの素人調理は絶対に止めてください。
厚生労働省 安全なフグを提供しましょう

フグ以外の有毒な魚や二枚貝、巻貝の喫食による食中毒もあります。
厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル

 

【サルモネラ属菌】

サルモネラ属菌は多くの家畜や動物の体内に生息し、乾燥に強い菌です。
特に鶏肉や鶏卵の加熱不足や生食が発症の原因となることが多いとされます。

サルモネラ属菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「サルモネラ食中毒の症状や特徴、予防方法について」
サルモネラ食中毒のリスクを見える化するには
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【腸管出血性大腸菌】

腸管出血性大腸菌は人の腸管内でベロ毒素(vero toxin ; VT)と呼ばれる毒素を産生し、その毒素により出血性の大腸炎を引き起こす細菌性の食中毒です。中でもO157が有名で少量でも発症しやすく、場合によっては重篤な症状を伴う特徴があります。

腸管出血性大腸菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「O157等の腸管出血性大腸菌食中毒の症状や特徴、予防方法について」
腸管出血性大腸菌食中毒のリスクを見える化するには
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【腸炎ビブリオ】

腸炎ビブリオは沿岸の海水、海泥中や汽水域に分布し、水温が 15℃以上の環境(至適温度域 35~37℃)になると活発化します。好塩性細菌であり、食塩濃度が高い1~8%の環境下(増殖至適塩分濃度は2~3%)で増殖します。一方で真水に弱い特徴があります。

腸炎ビブリオの特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「腸炎ビブリオ食中毒の症状や特徴、予防方法について」
腸炎ビブリオによる食中毒のリスクを見える化するには
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食品の安全を脅かす危害は、「生物学的危害」「物理的危害」「化学的危害」の3つに分類されます。
なかでも主に微生物を原因とする「生物学的危害」は、実際に発生した飲食関連の事故のうち約9割を占めるといわれています。
目には見えない微生物を検査によって「見える化」し、その状態を把握することが、微生物のコントロールには必須です。

食品微生物検査では、食品の種類・製造工程・保存条件など、検査対象の状況とその目的に応じて、衛生指標菌検査と食中毒菌検査を組み合わせて行われます。
その結果から、食中毒予防やリスク低減につなげることが可能です。

また、専門機関で検査することで、検査結果から改善のアドバイスが受けられます。より安心して食品をお客様に提供しましょう。
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