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食中毒の発生状況を総まとめ(2015~2019年)

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今回は厚生労働省の食中毒統計資料に基づいて、『事件』、『患者』、『死者』として記録されている過去5年間の食中毒の状況についてまとめました。この記事の中で各食中毒の原因となる菌やウイルスなどの特徴やどのようなポイントに注意すればよいかをまとめた記事についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。



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1. 過去5年間の食中毒事件数・患者数・死者数

  2015年  2016年  2017年  2018年  2019年 
事件数  1,202  1,139  1,014  1,330  1,061 
患者数  22,718  20,252  16,464  17,282  12,637 
死者数  14 

厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2015年~2019年のデータを基に作成



過去5年間の事件数については2018年に多く発生しているようですが、全体として大きな傾向は見られません。一方で患者数の推移については減少傾向にあることが分かります。

食中毒事件数・患者数の推移グラフ

厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2015年~2019年のデータを基に作成

 

2. 患者数が500人を超える食中毒事例

過去5年間で患者数が500人を超える事例については下表のとおりです。

発生年月   発生場所  原因施設  原因食品  原因物質  患者数  摂食者数  死者数 
2015年3月  愛知県  仕出屋  不明  ノロウイルス  576  12,211 
2015年12月  愛知県  仕出屋  不明  サルモネラ属菌  1,267  3,926 
2016年4月  東京都  飲食店  鶏ささみ寿司  カンピロバクター
・ジェジュニ/コリ 
609  14,000 
2016年11月  京都府  旅館  不明  ノロウイルス  579  1,187 
2017年1月  和歌山県  共同調理場  磯和え  ノロウイルス  763  2,062 
2017年2月  東京都  共同調理場  きざみのり  ノロウイルス  1,084  3,078 
2018年6月  京都府  給食施設  不明  ウエルシュ菌  621  1,132 
2018年12月  広島県  仕出屋  不明  ノロウイルス  550  不明 

厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2015年~2019年のデータを基に作成



ノロウイルスは毎年多くの方が食中毒を発症しています。患者数が500人を超える事例についてもほぼ毎年記録されていることがわかります。この他、ウエルシュ菌は別名給食病とも呼ばれ、大量調理を行う施設では特に注意が必要な食中毒の原因菌となります。

【ノロウイルス】

ノロウイルスは感染力が強く、集団感染のリスクの高いウイルスです。カキなどの二枚貝の喫食による食中毒が有名ですが、不顕性感染者(感染しているが症状がないまたは軽症)から食材を二次汚染し食中毒につながることも十分に気を付けなければなりません。

ノロウイルスの特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「ノロウイルス食中毒の症状や特徴、予防方法について
ノロウイルス検便で不顕性感染者の発見が大切です。
>>ノロウイルス検便のページへ
ノロウイルスによる環境の汚染を確認するには
>>環境衛生検査のページへ
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【サルモネラ属菌】

サルモネラ属菌は多くの家畜や動物の体内に生息し、乾燥に強い菌です。
特に鶏肉や鶏卵の加熱不足や生食が発症の原因となることが多いとされます。

サルモネラ属菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「サルモネラ食中毒の症状や特徴、予防方法について
サルモネラ食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
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【カンピロバクター・ジェジュニ/コリ】

カンピロバクター・ジェジュニ/コリによる食中毒は、少ない菌数で発症するとされており、加熱不良の食品を提供した場合には、食中毒事故につながりやすいといえます。

カンピロバクター属菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「カンピロバクター食中毒の症状や特徴、予防方法について
カンピロバクター食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
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【ウエルシュ菌】

ウエルシュ菌による食中毒は、別名「給食病」とも呼ばれ、カレーや煮込み料理等、大鍋で大量に調理し、作り置かれていた食品が原因となることが多くあります。100℃で1時間の加熱にも耐える熱に強い芽胞を作り、通常の加熱調理では死滅しないため注意が必要です。

ウエルシュ菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「ウエルシュ菌食中毒の症状や特徴、予防対策について
ウエルシュ菌食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
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3. 死者が発生した食中毒事例

過去5年間で死者が発生した食中毒事件は下表のとおりです。

発生年月   発生場所  原因施設  原因食品  原因物質  死者数  患者数  摂食者数 
2015年2月  宮崎県  家庭  アオブダイ  動物性自然毒 
2015年3月  国内不明  不明  ふぐ(内臓)(推定)  動物性自然毒 
2015年6月  北海道  家庭  不明  その他 
2015年6月  北海道  家庭  イヌサフラン(推定)  植物性自然毒 
2015年9月  山形県  家庭  生のイヌサフラン(推定)  植物性自然毒 
2016年4月  北海道  家庭  イヌサフラン (推定)  植物性自然毒 
2016年4月  秋田県  家庭  トリカブト  植物性自然毒 
2016年5月  宮城県  家庭  イヌサフラン  植物性自然毒 
2016年5月  北海道  家庭  スイセン  植物性自然毒 
2016年8月  千葉県  老人ホーム  きゅうりのゆかり和え  腸管出血性大腸菌 
(VT産生)  
44  99 
2016年8月  東京都  老人ホーム  きゅうりのゆかり和え  腸管出血性大腸菌 
(VT産生)  
32  94 
2016年8月  千葉県  老人ホーム  きゅうりのゆかり和え  腸管出血性大腸菌 
(VT産生)  
26 
2017年2月  東京都  家庭  蜂蜜  ボツリヌス菌 
2017年5月  北海道  家庭  イヌサフラン  植物性自然毒 
2017年8月  群馬県  飲食店  不明  腸管出血性大腸菌 
(VT産生) 
11  40 
2018年4月  北海道  家庭  イヌサフラン  植物性自然毒 
2018年7月  北海道  家庭  イヌサフラン  植物性自然毒 
2018年9月  三重県  家庭  ニセクロハツを家庭で調理した食品  植物性自然毒 
2019年4月  群馬県  家庭  イヌサフランの炒め物  植物性自然毒 
2019年6月  秋田県  家庭  山菜の炒め物(イヌサフラン)  植物性自然毒 
2019年12月  広島県  家庭  フグ  動物性自然毒 

厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2015年~2019年のデータを基に作成

食中毒による死亡事例の多くは、有毒の植物や生物を誤食することが原因となりますが、腸管出血性大腸菌やボツリヌス菌などの細菌性食中毒でも起こっており、十分に注意が必要です。

【植物性自然毒】

植物性自然毒はキノコと高等植物に大別されます。

キノコ
ツキヨタケやクサウラベニタケ、テングタケ・イボテングタケが有名です。
食用と判断できないキノコは絶対に「採らない」「食べない」「人にあげない」が特に重要です。
東京都福祉保健局 食品衛生の窓 キノコ食中毒

高等植物
スイセンやトリカブト、ヨウシュウヤマゴボウなどが有名です。
植物の新芽、若葉や根、実など一部分を見ただけでは、有毒植物と食用植物とを見分けることが難しい場合があります。
東京都福祉保健局 食品衛生の窓 間違えやすい有毒植物

厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル


【動物性自然毒】

すぐに思い浮かぶのはフグではないでしょうか?
フグの体内に含まれるテトロドトキシン(TTX)がフグの喫食による食中毒の主な原因です。過去には死亡例も報告されています。
国内では都道府県知事等が認めた専門のフグ処理者により調理されたフグが消費者に提供されていますが、釣ったフグを家庭で調理し喫食したことによる食中毒事故が起こっています。自分で釣ったフグ又は知人から譲り受けたフグの素人調理は絶対に止めてください。
厚生労働省 安全なフグを提供しましょう

フグ以外の有毒な魚や二枚貝、巻貝の喫食による食中毒もあります。
厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル


【腸管出血性大腸菌】

腸管出血性大腸菌は人の腸管内でベロ毒素(vero toxin ; VT)と呼ばれる毒素を産生し、その毒素により出血性の大腸炎を引き起こす細菌性の食中毒です。中でもO157が有名で少量でも発症しやすく、場合によっては重篤な症状を伴う特徴があります。

腸管出血性大腸菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「O157等の腸管出血性大腸菌食中毒の症状や特徴、予防方法について
腸管出血性大腸菌食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
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【ボツリヌス菌】

ボツリヌス菌は酸素のない(少ない)状態で増殖し、ボツリヌス毒素を産生します。その毒素によって食中毒が引き起こされます。ボツリヌス毒素は自然界に存在する毒素の中で最強の毒力といわれています。また、1 歳未満の赤ちゃんでは、ボツリヌス菌の芽胞を摂取することにより、乳児ボツリヌス症にかかることがあるため、1歳未満の赤ちゃんにハチミツやハチミツ入りの飲料・お菓子などの食品は与えないように、厚生労働省から注意喚起がなされています。
厚生労働省 ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。

ボツリヌス菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「ボツリヌス菌食中毒の症状や特徴、予防方法について
ボツリヌス菌食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
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4. 食品の安全を確認するには

食品の安全を脅かす危害は、「生物学的危害」「物理的危害」「化学的危害」の3つに分類されます。
なかでも主に微生物を原因とする「生物学的危害」は、実際に発生した飲食関連の事故のうち約9割を占めるといわれています。
目には見えない微生物を検査によって「見える化」し、その状態を把握することが、微生物のコントロールには必須です。

食品微生物検査では、食品の種類・製造工程・保存条件など、検査対象の状況とその目的に応じて、衛生指標菌検査と食中毒菌検査を組み合わせて行われます。
その結果から、食中毒予防やリスク低減につなげることが可能です。

また、専門機関で検査することで、検査結果から改善のアドバイスが受けられます。より安心して食品をお客様に提供しましょう。
>>食品微生物検査のページへ

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町田予防衛生研究所について

町田予防衛生研究所の会社概要・沿革

動画で町田予防衛生研究所の会社紹介

 

参考

・厚生労働省 食中毒発生状況(2015年~2019年)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html

・厚生労働省 過去の食中毒事件一覧(2015年~2019年)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html

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