衛生状況のチェックするポイントを知っていますか?

HACCP制度化が2021年6月より完全施行され、各事業者においては自主的に衛生管理を行う体制となりました。
とは言っても何に注意すればいいのかイマイチわからない・・・
そんなあなたに、年間300施設以上、衛生点検を実施している衛生点検員が、厨房内の衛生管理の注意すべきポイントを簡潔にまとめてご紹介します。
今回のテーマ:調理器具の洗浄・消毒・保守管理について
調理器具は調理の際に食品に直接接触するものもあり、その衛生管理は大切です。
調理の現場で使用する調理器具を改めて見直してみましょう。洗い残しや破損はありませんか?
食品等事業者団体が発行している多くの手引書でも、調理器具の管理は適切に行わないと食品への汚染源・異物源になることから、衛生管理のポイントとして上げられています。
①【調理器具は洗浄消毒を行い、汚れや洗い残しがない】※まな板は黄ばみ・黒ずみもない

衛生点検では器具の衛生管理状況として、食品残渣や汚れの有無を確認します。特に汚れを落としにくい器具については洗い残しがないかを確認します。ピーラーや缶切り、おろし金、ホイッパー等がそれにあたります。
洗い残しが見られる器具は管理しやすい素材や形状のものに交換することも提案します。洗浄しにくいもの、洗い残しや汚れが溜まったものは、消毒も十分に効果が出ない場合もあります。
※まな板の黄ばみ・黒ずみは漂白で除去できる可能性はありますが、除去が難しい場合は、削る、もしくは交換するようにしてください。

②【保管されている調理器具は乾燥しやすく、汚染を受けないように保管している】

次に洗浄・消毒後の調理器具の保管方法です。衛生点検では、周囲から汚染を受けにくい場所で乾燥しやすいように保管されていることを確認します。代表的な悪い例として「まな板の重ね保管」、「ボウル等水たまりがある状態」での保管が挙げられます。細菌類は増殖する際に水分を利用するため、乾燥し難い状態の場合、細菌類を増やしてしまう恐れがあります。実際に拭き取り検査を行うと、細菌数が多く検出されることもあります。調理器具は水を切って、まな板は重ねず保管してください。
また、他から汚染を受けるような保管方法は好ましくありません。衛生点検でよく注意する点として包丁を壁と棚の隙間での保管、まな板を壁に立てかけて保管などが挙げられます。壁や床などから影響を受けないように保管しましょう。


③【使用している調理器具に劣化・破損がない】

日々使用する調理器具は徐々に劣化していきます。劣化・破損した調理器具をそのまま使用すると、洗浄・消毒が十分に行えないことや、破片が異物混入の原因となる場合があります。
まずは劣化・破損している調理器具がないか確認しましょう。衛生点検では包丁の先端の欠け・刃こぼれ、容器の割れ、ザルの劣化を多く見かけますので、その点を注意して確認しましょう。
劣化・破損箇所を確認した段階で、新しいものに交換をしてください。(必ず責任者が把握しておきましょう)
こういった確認を定期的に実施することで、劣化・破損していたり、耐用期間を過ぎた調理器具を早期に見つけて交換することができます。この確認は、調理器具を原因とする異物混入の防止にも繋がります。調理器具を使用する際や、洗浄・消毒後に棚に戻す際にも意識して見る等、日常的な気付きの機会とすることを当社は推奨しておりますので、ぜひ参考にしてください。


調理器具は食材に直接接触するため、今回の3つカテゴリーの内1つでも対策を怠ると、事故につながる恐れがあります。 まずはよく使用されている調理器具について見直してみましょう。
Written by
株式会社町田予防衛生研究所
町田予防衛生研究所は、食の安全に関わる各種検査やコンサルティングなど幅広く商品・サービスを取り揃え、ワンストップで食の安全をサポートする企業です。
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