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SDGsと食品ロス(1)食品ロスとは?

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SDGsと食品ロス(1)食品ロスとは?

皆さんは「食品ロス」という言葉を知っていますか?「聞いたことがある」という方は多いかもしれません。

食品ロスの問題は、2015年9月の国連サミット採択された「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」、いわゆる「SDGs(エスディージーズ)」においても、解決するべき課題とされています。

 

1. SDGsと食品ロス

SDGsは、貧困や環境、教育、経済成長など、世界全体で達成を目指す17の目標で構成されています。また、それぞれの目標に対して、目標を達成するための具体的なターゲットが10個前後、紐づけられています。ターゲットの数は全部で169個に上ります。

SDGsポスター

 

SDGsの目標12「つくる責任  つかう責任」の中に、「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。」というターゲットがあります。
(参照)外務省 JAPAN SDGs Action Platform

SDGsアイコン12

 

このように、食品ロスは世界的な問題となっています。

今回は、これを読んでいただいている皆さんに、食品ロスについて理解を深めて、問題解決に向けた行動へ繋げて頂くために、食品ロスの概要、日本や世界における食品ロスの現状、SDGsと食品ロスの関係、食品ロスを減らすためにできることなどを3回に渡って紹介いたします。
>>SDGsと食品ロス(2)食品ロスの問題点のページへ
>>SDGsと食品ロス(3)食品ロスを減らすための取り組みのページへ

2. 食品ロスとは?

はじめに、食品ロスについて説明します。
食品ロスとは「食べることが出来たのに廃棄される食品」のことです。日本に限らず、世界中どの国でもほぼ同じ定義です。
(参照)消費者庁 食品ロスについて知る・学ぶ

 「食べることが出来たのに廃棄される食品」の例としては、

 ・賞味(消費)期限が切れて捨ててしまった食品

 ・食べ残した料理

 ・スーパーなどで売れ残った商品

 ・メーカーの規格外で、販売することができない商品などがあります。

日本国内における2019年度の食品ロス発生量(推計値)は約570万トンであり、2018年度(約600万トン)、2017年度(約612万トン)と、年々減少はしているものの、毎年600万トンもの食品ロスが発生している現状です。
(参照)消費者庁 「食品ロス量(令和元年度推計値)の公表」について

世界全体ではどうでしょうか。国連食糧農業機関(FAO)の調査では、全世界で年間約13億トンの食品ロスが発生していて、全世界で生産された食料の約3分の1が、捨てられていることになるそうです。
(参照)農林水産省 食品ロスの現状を知る

家庭系食品ロスと事業系食品ロス

食品ロスは大きく二つに分けられます。

〇家庭から出る「家庭系食品ロス」

〇食品を扱う事業者から出る、「事業系食品ロス」です。

食品関連事業者とは、食品製造業、問屋などの卸売業、スーパーやコンビニエンスストアなどの小売業、ファミリーレストランや居酒屋やホテルなどの外食産業(※)のことです。
※ここでは、宿泊業は「外食産業」に含まれます。

先ほど、「2019年度の食品ロス発生量は約570万トン」と書きましたが、内訳は、家庭系食品ロスが約261万トン、事業系食品ロスが約309万トンです。事業者から出るロスの方が少し多いです。

 

3. 食品ロスの発生原因

食品ロスが発生する具体的な原因を紹介します。

家庭系食品ロス

家庭では、主に料理や食事の時などに発生します。大きく分けると、下記のようなものがあります。

 〇過剰除去
(例)野菜や果物の皮を厚くむき過ぎた。芯を取るとき、身の部分も一緒に取りすぎた。

〇食べ残し
(例)作った(買ってきた)けれど、食べきれずに残してしまった。

〇直接廃棄
(例)冷蔵庫で保存していたが、腐ってしまったので、食べずに捨ててしまった。

 例を見ると、心当たりのある方がいるかもしれません。ちなみに、国の調査によると、一番多いのは直接廃棄で、続いて、食べ残し、過剰除去の順に多いです。
(参照)消費者庁 食品ロスの現状と削減に向けた取組

 

事業系食品ロス

事業系食品ロスは、業種によって発生原因が違ってくるので、業種別に紹介します。

食品製造業

食品メーカーなどが、商品を作る工場から発生します。

〇原材料の端材
(例)肉・魚・野菜の切れ端やパンの耳など。

〇規格外品
(例)決められた重量や容量などの規格から外れてしまったもの。

〇パッケージの印刷・印字ミス
(例)賞味期限や成分表示などの印刷ミス。
企業が作る商品(特に食料品の規格)はかなり厳しいです。賞味(消費)期限の印字欠けなどあった場合には、読み取れたとしても、基本的にその商品は出荷することが出来ません。

〇設備
(例)製造設備の故障や操作ミスなど。

〇過剰生産
(例)欠品を避けるために必要以上の数を生産した結果、商品が余り、廃棄した

食品メーカーは、小売店や卸売店へ商品を売る立場ですが、注文を受けた数の商品を準備出来ないと、「欠品によって店の利益を損なわせた」ということで、店側から補償を求められることがあります。それを避けるために、メーカーは多めに商品を作りますが、売れ残った分は捨てられてしまうことが多いです。

〇返品、不良品、事故品
(例)異物混入などによって販売できないもの。

食品卸売業・小売業

卸売業と小売業ではメインの顧客が違いますが、「商品を売る」点で共通しているので、まとめて紹介します。

〇売れ残り
(例)仕入れた商品が賞味(消費)期限までに売れなかった。

〇商品の破損・汚れ
(例)仕入れのときや保管中に、商品が破損したり汚れたりすると売り物にならない。

〇商品パッケージのデザイン変更
(例)商品のパッケージが変わり、古いデザインの商品を売れなくなる。

〇商品の作り過ぎ
(例)店内で作る刺身やお惣菜、パンなど。恵方巻、クリスマスケーキなどのイベント商品。
買いたいお客さんが「買えなかった!」ということが極力無いよう大量に作られ、余った分は捨てられてしまいます。
恵方巻やクリスマスケーキなどのイベント用商品は、特にたくさん作るので、大量に捨てられることがあります。

外食産業

〇使われなかった食材・料理
(例)使いきれなかった食材。作り置きしたが、客へ提供されなかった料理。

〇調理中に出た食材のくず
(例)野菜や果物の皮・芯など
家庭系食品ロスの「過剰除去」と同じですが、料理の見栄えを良くするために、より多くの部分を除去することがあります。

〇お客さんの食べ残し
(例)お客さんが注文した料理を食べきれずに残した。急な予約キャンセル。

 

 

食品ロスの具体例や発生原因は他にもあるのですが、今回は代表的なものを紹介しました。食品ロスは色々なところで発生するということが伝わりましたでしょうか?

以上、食品ロスの定義や発生原因など、基本的なことを紹介しました。

 “作られた食品の多くが捨てられている”。この問題は、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に関わってきます。

SDGsアイコン12

 

しかし、突き詰めていくと、SDGsの他の目標にも関わってくることが見えてきます。

 

次回は、食品ロスの問題点について紹介します。
>>SDGsと食品ロス(2)食品ロスの問題点のページへ

 

 

Written by

株式会社町田予防衛生研究所

町田予防衛生研究所は、食の安全に関わる各種検査やコンサルティングなど幅広く商品・サービスを取り揃え、ワンストップで食の安全をサポートする企業です。

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〒194-0013
東京都町田市原町田3-9-9

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    • 厚生労働省登録検査機関(食品衛生法)
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