洗浄器具やシンク、薬剤の管理には目を向けていますか?
調理器具や野菜の洗浄・殺菌等で、日頃から使用している器具やシンク、薬剤ですが、衛生的に管理できていますか?
スポンジ等の洗浄器具や食器洗浄機内、シンク内に汚れが残っていると細菌が増殖し、洗浄する器具や野菜等を逆に汚染してしまうことがあります。また、洗浄や殺菌に使用する薬剤が誤って食品に混入し、そのまま提供してしまう事故も発生しています。
そこで今回は、洗浄器具やシンク等の設備、薬剤の衛生的で安全な管理のポイントをお伝えします。
今回のテーマ:洗浄器具、シンク、薬剤の管理について
【洗浄器具に汚れ・劣化がなく、保管方法が適切である】
まずは厨房内で使用している洗浄器具に、汚れや劣化がないか確認してみましょう。食品カスの残存や劣化している洗浄器具を使っていませんか?
洗浄器具も定期的に、そして使用状況に応じて洗浄・消毒しましょう。
また洗浄器具は、使い続けていると劣化します。使用時には、スポンジの破片が出ていないか、ブラシの毛先は大きく曲がっていたり抜け等がないか点検しましょう。これらが確認されたら、すぐ交換することはもちろんですが、できれば定期的に交換するとよいでしょう。
そして洗浄器具の保管状態を確認しましょう。洗浄器具をシンク縁に直置きしていたり、洗浄器具同士で重ねて保管はしていませんか? このように保管していると乾燥しにくく、水分を利用して細菌が増えやすい状態になります。水切りカゴ等を活用し、洗浄器具同士が重ならないよう立てて保管しましょう。
【厨房内シンクに汚れや破損がない。食器洗浄機は清潔である】
厨房内で使用しているシンクは定期的に洗浄していますか。シンク内のゴミは毎日処理してもシンク自体に汚れが残ってしまっているケースがあります。衛生点検時にはシンク内のオーバーフロー部の汚れで指摘となるケースが多く見られます。野菜や調理器具の洗浄の際、増殖した細菌を逆に拡げてしまったり、洗剤や消毒剤の効果を弱くしてしまう恐れもありますので、シンク内も洗浄し清潔に保ちましょう。
洗浄機も要注意です。洗浄機自体の洗浄を怠ると汚れが蓄積してしまいます。衛生点検時では内側(洗浄部)にあるピンク色の汚れ(「ロドトルラ」といわれる酵母など)の指摘が多く見られます。こうした汚れをそのままにせず、見えにくい内側も洗浄し清潔に保ちましょう。
【薬剤は食品と別々に保管し、内容物が明記されている】
【次亜塩素酸ナトリウム溶液の濃度が適切である】
洗剤、殺菌剤などの薬剤は、適切に保管・使用すれば有効なものですが、誤使用等で事故に繋がってしまう恐れがあります。今回は、薬剤管理を実施するうえでのポイントを3つにまとめました。
1つ目は、容器に内容物が明記されているか確認してください。特に他のボトルに薬剤を移し替えて使用している場合は要注意です。食品と間違えて提供する等、誤使用防止のために、薬剤が入っていることを誰が見てもわかるように明記しましょう。
2つ目は、薬剤が食品や調理器具類とは分けて保管されているか確認してください。混在して保管することで、誤使用や交差汚染の恐れがあります。薬剤はシンクの下に専用の保管場所を設ける等、食品とは別々に保管しましょう。
3つ目は、薬剤が適切な濃度で使用できているか確認しましょう。特に次亜塩素酸ナトリウム溶液を作製する際、薬剤と水の量を誤ってしまうと適切な殺菌効果が得られない場合があります。器具類の殺菌の濃度は※200ppmが一般的です。いつでも正しい希釈濃度で使用できるよう、薬剤と水の量を示したマニュアルを準備しておきましょう。衛生点検では専用の試験紙を使用し、色の変化がないもしくは反応が薄い場合は作製方法を確認し指導しています。
今回は「洗浄器具・シンク・薬剤の管理」について取り上げました。こちらは衛生点検でも指摘として多く挙がっており、管理が抜けやすい部分です。ポイントを踏まえて、どのような管理を行っているのか改めて確認してみましょう。
Written by
株式会社町田予防衛生研究所
町田予防衛生研究所は、食の安全に関わる各種検査やコンサルティングなど幅広く商品・サービスを取り揃え、ワンストップで食の安全をサポートする企業です。
本社所在地
〒194-0013
東京都町田市原町田3-9-9
許可等
- 厚生労働省登録検査機関(食品衛生法)
- 登録衛生検査所
- 国際規格 [ISO9001] 認証取得
- 国際規格 [ISO/IEC17025:2017] 認定取得(♯81094)
- 国際規格 [ISO/IEC 27001:2013] 認証取得
- JFS監査および適合証明プログラムに基づく監査会社
食品衛生のお役立ち掲示物ダウンロード
現場ですぐに使える「食品衛生のお役立ち掲示物」をご用意しております。
ダウンロードして印刷すれば、すぐにご利用いただけます。
手洗いマニュアル
ノロウイルスの特徴まとめ
ノロウイルス予防4原則
食品衛生7S
食品アレルギー早わかり
衛生身だしなみマニュアル