衛生管理計画に基づく記録は実施していますか？
HACCPに沿った衛生管理の制度化により、「衛生管理計画」の作成が必要になりました。衛生管理計画は作成することだけが目的ではなく、実際に計画を実行し、安全で衛生的な食品をつくり、提供していくことが目的です。計画を実行し、記録をつけましょう。
取り扱う食品、製造規模等によって必要な記録が異なりますので、まずは厚生労働省で公開されている、業種別のHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書より、ご自身の事業に合ったものを参考にしましょう。
食品等事業者団体が作成した業種別手引書｜厚生労働省
今回は多くの手引書に共通して管理することとなっている個人衛生と冷蔵・冷凍設備の温度管理についての記録に焦点を当てて、実施する目的や注意点などをお伝えします。
今回のテーマ：個人衛生チェック記録、冷蔵庫・冷凍庫の温度記録表について
【個人衛生チェック記録が正しく活用され、記録表は保管されている】
健康管理は厨房内に従業員由来の病原微生物を持ち込まないための重要な管理です。調理従事者の健康状態の申告は非常に重要です。出勤前体調に問題がないか確認しましょう。仮に下痢やおう吐、発熱等体調不良の場合は、ノロウイルスや食中毒菌を保有している可能性があり、周囲に感染や汚染を拡げてしまう恐れがありますので、出勤停止や配置転換などの対応が必要となります。
そして、その結果を記録してください。記録に残すことで、体調管理を適切に行えていることの証明になり、定期的に振り返りを行うための資料となります。また万が一食中毒事故の疑いが発生した場合、参考資料として活用が期待されます。
弊社では個人衛生チェック記録として、体調以外にも手指の傷や爪・装飾品、家族の体調も含め、個人別で記録をすることを推奨しています。上記の良い例の表を参考に始業前に日頃から記録を実施して下さい。もし体調が悪かった場合は×と記録し備考欄に出勤停止や配置転換など、その対応結果を積極的に記載しましょう。
またその記録表に不備がないように適切に管理しましょう。弊社の衛生点検においてよく記録漏れや先付け等注意することがあります。下記に不備の一例を載せますので、こういった不備がないよう確認しましょう。
【冷蔵庫・冷凍庫温度記録が正しく活用され、記録表は保管されている】
冷蔵・冷凍設備の温度管理は、食品の品質劣化や細菌類の増殖を防ぐために行います。
食品ごとに適切な温度で保管することは重要です。冷蔵庫・冷凍庫の温度に異常がなく、問題なく稼働していることを確認し、記録を実施しましょう。
まず使用しているすべての冷蔵庫・冷凍庫を確認してください。そしてそれぞれの冷蔵庫・冷凍庫の基準温度（温度範囲等）を明確にして、記録表を整備しましょう。温度は始業前に確認し、その数値を記録しましょう。温度の数値が出ないタイプの機器を使用している場合は、温度計を庫内に入れて、その数値を記載してください。基準から外れていた場合の対応はあらかじめ定めておき（中の食品の状態を確認し、ドアを閉めて一定時間経過後に再測定する等）、対応結果も記録しましょう。
そのため記録は不備がないように徹底してください。こちらも弊社の点検結果等から踏まえ、下記に不備の一例を載せますので、こういった不備がないよう確認しましょう。
今回は、取り上げた「個人衛生チェック記録」、「冷蔵庫・冷凍庫温度記録」のみならず、記録は実施したことを客観的に証明し、振り返り時の資料となります。また、問題点や大きなトラブルの未然防止にも繋がります。
記録を実施する目的を今一度振り返り、衛生管理の実施時に合わせて不備のないよう、記録を徹底してください。
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株式会社町田予防衛生研究所
町田予防衛生研究所は、食の安全に関わる各種検査やコンサルティングなど幅広く商品・サービスを取り揃え、ワンストップで食の安全をサポートする企業です。
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