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食べ物と水(1)限られている水

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水は、私たちが生きていくために必要なものです。

例えば、私たちが摂取した水は、血液などの体液となって体内を循環したり、尿となって老廃物を排出したり、汗となって熱を逃がすことで体温を保ったりしています。体内の水分が不足すると、体は不調をきたし、最悪の場合、命を落としてしまうこともあります。

そして「生きていくためには水が必要」という言葉は、もう一つの意味を持っています。

それは「食べ物を作るために水が必要」ということです。

私たちが口にする食べ物には、色々な形で水が使われています。食を守るためにも水が必要であり、水資源を守ることは重要です。水資源の保全は世界に共通する課題として認識され、SDGs(持続可能な開発目標)においても目標やターゲットに掲げられています。

今回は、2回にわたり「食べ物と水」の関係について、SDGsの視点も踏まえて紹介します。

 

1. 食べ物と水

はじめに、食べ物を作るときに水がどう使われているのか、主なものをピックアップして紹介します。

 

農業

農業でたくさんの水が必要であることはイメージしやすいかもしれません。

まず、野菜や米などの農作物の生長には水が欠かせません。稲作では田へ大量の水を張ります。

農林水産省によると、日本全国の水使用量は年間約800億m3(立方メートル)で、そのうち約3分の2が農業用水としての利用です。
(参照)農林水産省 日本の農業用水の利用状況
    農林水産省 農業用水の特徴

畜産の場合は、牛や豚などの家畜の飲み水だけでなく、エサとなる飼料の生産に使われる水が必要です。国連食糧農業機関(FAO)のデータでは、1kgの牛肉を作るのに1万5400リットルの水が必要とされています。
(参照)プラットフォーム・ジャパン  1㎏の牛肉を生産するために、水はどのくらい必要でしょう?(FAOの記事を翻訳したものです)

 

食品の製造

私たちが口にしている食べ物は、農作物などを原材料として工場などで製造されているものも数多くあります。小麦粉、パックの牛乳、冷凍食品、お菓子、カット野菜、バターなどなど、現代においては、工場で製造・加工された食品の割合の方が大きくなっています。

そんな食品製造の工程でも、原料の他、設備の洗浄、冷却、温度調節等の目的で多くの水が使われます。

 

調理

調理の課程でも水は使います。

米を研ぐ、食材を洗うなどの下準備の段階で使うこともりますし、煮炊きなど、料理の材料の一つとして使うこともあります。また、お茶やコーヒーを淹れるときにも使います。このとき、水道水を使う人もいれば、市販のミネラルウォーターや井戸水、湧き水などを使う人もいるかもしれません。いずれにしても、飲んでも問題ない安全な水が必要です。

原材料の生産から料理として食べるまでの過程だけでも、たくさんの水が必要とされていることが分かります。

私たちが何かを食べたとき、その食べ物に含まれる水分だけでなく、作られる過程で使われた水も間接的に取り入れている、と考えると、「食」において水がいかに重要であるかを強く感じられるかもしれません。

 

2. SDGsと水

水は、生物が生きていくために必要不可欠なものであるため、SDGs(持続可能な開発目標)の文言にも「水」という文字は多く見られます。

その中でも、特に「水」に強く関わっているのは、目標6「安全な水とトイレを世界中に」と、それに紐づく8つのターゲットでしょう。
(参照)農林水産省 SDGsの目標とターゲット

SDGsアイコン6

 

目標6は、世界中のすべての人が、きれいで安全な水を利用できる状態を目指しています。

一見すると、「食」に関わる目標(及びターゲット)と感じにくいかもしれません。しかし、前述したように、食べ物を作るためには大量の水が必要です。そして、水なら何でもよいわけではありません。

よって、SDGsの目標6の達成は、安定した食料供給を維持するために重要なことであると言えます。

 

3. 食品に使える水

〇食品製造用水

食品製造用水については、厚生労働省が、水道水または26の水質基準に適合する水をいう、と定めています。
(参照)厚生労働省 食品、添加物等の規格基準
    e-Gov 水道法

 

3. 限られている水

地球には約14億km3(立方キロメートル)の水が存在すると言われています。その内、97.47%が海水で、残りの2.53%が淡水です。その2.53%の内、1.76%が北極や南極などの氷で、残りの0.77%が地下水や河川・湖沼などの水です。

さらに細かく分けると、0.77%の内、地下水が0.76%、河川や湖沼などが0.01%と言われています。

つまり、私たちが利用しやすい状態で存在している水は地球全体の水の0.01%、約10万km3となります。
(参照)国土交通省 世界の水資源

この「私たちが利用しやすい状態で存在している水」は偏在が課題となっています。国や地域によっては川や湖が少なく、水資源が乏しい所があります。また、汚れがひどくて使えない水もあるかもしれません。

このように、私たちにとって安心・安全な水は、地球全体で見ると、かなり限られていることが分かります。

さて、ここまでの話をまとめます。

・食べ物を作るためには大量の水が必要

・食べ物を作るために使う水は、厳しい基準に適合したものでなければいけない

ここでの「水」は、すべて淡水を指しています。地下水をくみ上げたり、海水を処理して淡水にしたりして賄っているケースもあるでしょうが、多くは河川などの水を利用しています。

日本は水資源の豊かな国ですが、食料の多くを輸入に頼っています。間接的に他の国や地域の水資源に頼っているのです。

次回は、このことも踏まえて、食を取り巻く水の問題と、問題解決に向けた世界の動きや取り組みなどを紹介します。
>>食べ物と水(2)

 

Written by

株式会社町田予防衛生研究所

町田予防衛生研究所は、食の安全に関わる各種検査やコンサルティングなど幅広く商品・サービスを取り揃え、ワンストップで食の安全をサポートする企業です。

本社所在地

〒194-0013
東京都町田市原町田3-9-9

許可等

    • 厚生労働省登録検査機関(食品衛生法)
    • 登録衛生検査所
    • 国際規格 [ISO9001] 認証取得
    • 国際規格 [ISO/IEC17025:2017] 認定取得(♯81094)
    • 国際規格 [ISO/IEC 27001:2013] 認証取得
    • JFS監査および適合証明プログラムに基づく監査会社

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