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食べ物と水(2)食を取り巻く水の問題

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私たちが口にしている食べ物は、水によって支えられています。

農作物や家畜は水が無ければ育たず、食品を作る工場でも、食品の原料としてだけでなく、食材や工場設備を洗ったり冷やしたりするのに水が必要です。家庭や店のキッチンなどでも、煮たり炊いたり洗ったりするのに使います。この水は、何でもいいわけではありません。汚れた水は使えませんし、食品製造工場や調理には法で定められた基準をクリアした水を使わなければいけません。また、海水を使うことはほぼ不可能です。 

そのため「食べ物を作るために使える水」はかなり限られています。地球上にある水のほとんどは海水で、淡水もその多くは地下水です。

地球上にある約14億km3(立方キロメートル)の水の内、河川や湖沼など、私たちが利用しやすい状態で存在している水は約10万km3、約0.01%に過ぎません。
(参照)国土交通省 世界の水資源

SDGs(持続可能な開発目標)でも、目標6「安全な水とトイレを世界中に」に設定され、「きれいで安全な」水資源を守ることは重要な課題です。
(参照)農林水産省 SDGsの目標とターゲット

SDGsアイコン6

 

今回は、食を取り巻く水に関わる問題や、問題解決に向けた取り組みなどを紹介します。

 

1. バーチャルウォーター(仮想水)

はじめに、「バーチャルウォーター(仮想水)」について紹介します。

バーチャルウォーターは、ある食品を輸入した国が、その食品を自国で生産するとしたら、どのくらいの水が必要になるかを推定して数値化したものです。食品を輸入するということは、その食品を生産するのに使われた水を輸入している、ということが言えます。
(参照)環境省 バーチャルウォーター

 

水の輸入大国 日本

日本の食料自給率はカロリーベース(※1)で約37%で、食料の多くを輸入に頼っています。バーチャルウォーターも踏まえて考えると、日本は大量の水を海外から輸入していることになるわけです。

※1 基礎的な栄養価であるエネルギー(カロリー)に着目して、国民に供給される熱量(総供給熱量)に対する国内生産の割合を示す指標
(参照)農林水産省 令和2年度食料自給率・食料自給力指標について

東京大学生産技術研究所の試算によると、日本が輸入した食料をバーチャルウォーターに換算した場合、年間640億m3になるそうです。日本国内の水使用量は年間800億m3前後であることを考えると、かなりの量であることが分かります。

日本は食料輸入大国であると同時に「水輸入大国」なのです。
(参照)外務省 バーチャル・ウォーター(仮想水)ではかる日本の海外食料依存度
    国土交通省  水資源の利用状況

日本は水の豊かな国と言われていますが、バーチャルウォーターの観点を加味すると、海外の水資源に大きく依存している、という現状が見えてきます。海外における水資源の問題は日本の食料供給に影響するのです。

また、食品ロス(本来食べられるのに捨てられてしまう食品)の発生は、食べ物だけでなく、水も無駄にしているのです。

 

2. 世界の水不足

日本で生活していると実感しにくいですが、世界中で水不足が深刻な問題となっています。

 

水源の偏在と高まる水需要

水源となる川や湖沼などは地球上に偏在しています。日本のように水源に恵まれた国がある一方で、中東諸国のように水源が不足している国あります。

そもそも水源が偏在していることに加え、世界的な人口増加や、途上国・新興国と呼ばれる国の経済的発展に伴い、人々の生活や農業・工業への水需要が高まっているため、水不足はさらに深刻化しています。

また、気候変動や異常気象などによる環境変化によって、水資源が減少または水資源を安定的に活用できなくなっているとも言われています

 

水を巡る争い

世界では国や地域同士の争いが起きています。その中には、水を巡っての争いもあり、それは「水紛争」と呼ばれています。

水紛争の主な要因は以下の4つだと言われています。

 ・ 水資源配分の問題(湖や河川の上流地域での過剰取水)

 ・ 水質汚濁の問題(上流地域での汚染物質排出など)

 ・ 水の所有権の問題

 ・ 水資源開発と配分の問題

国土交通省webページ(https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/mizsei/mizukokudo_mizsei_tk2_000021.html)より引用

 

十分な水の有無は命や生活にかかわるため、水は争いのきっかけになりやすいといえます。

日本でも農地の取水や干拓などが原因の対立が起きています。世界では、それが紛争にまで発展することもあるのです。

水紛争の最中、元々あった水源が破壊・汚染され、さらに水不足が悪化してしまうこともあります。
(参照)国土交通省 水資源の問題
    環境省 気候変動影響評価報告書の公表について
    トリム・ミズラボ 
    Global News View 世界の水紛争:報道されていない事実

水不足がさらに深刻化していけば、日本の食料供給にも大きな影響が出てくるかもしれません。

そうさせないための対策が求められています。続いては、日本や世界で行われている取り組みの一部を紹介します。

 

3. 日本や世界での取り組み

取り組みと一口に言っても色々なアプローチがあります。

 

水の節約

普段使う水の節約は大事なことです。

日本の水使用量は、農業用水の割合が最も多く、次いで工業用水、生活用水の順となっています。これは海外においても同様です。
(参照)国土交通省 水資源の利用状況

 

農業

特に水の使用量が多い農業の分野では、節水型農業の開発や普及が進められています。これは、水をより効率的に利用する灌漑技術を開発したり、少ない水で育つ作物を品種改良によって生み出したりして、農作業全体で使用する水の量を減らしていこうというものです。節水だけでなく、水資源が乏しい乾燥地域での収穫増も期待できます。
(参照)農林水産省 水環境回復のための節水かんがいの導入(PDF)
      科学技術振興機構 干ばつに強く、水を節約して育つコムギの開発に成功
    JICA 中央乾燥地における節水農業技術開発プロジェクト
    植物工場・農業ビジネスオンライン
     

工業

工場での水使用量を削減するため、生産工程の見直しなどを行って水利用の効率化を図っています。水使用量の削減は、水道料金の削減にもつながるため、企業にとってもメリットのある取り組みです。

また、工場排水については、法律などで定められた基準を順守して放流し、周辺の水環境への負荷を低減することも求められます。
(例)株式会社明治 水資源
   ネスレ日本株式会社 取水量ゼロ
   ライオン株式会社 水使用量削減

 

 

海水の活用

「農業などの食料生産に使えるは淡水だけ。海水は使えない」

「地球上に、私たちが利用できる形で存在している水の割合はとても小さい」ということは前述しましたが、海水を活用していくための取り組みもあります。

 

海水淡水化

聞いたことのある方は多いかもしれません。海水を蒸留したり、膜でろ過するなどして塩分を取り除き、淡水に変える技術です。

淡水の水源が少なく乾燥地の多い国で使われている他、日本においても、沖縄県に海水淡水化センターが設置されていて、沖縄本島へ供給される水道水の一部を担っています。
(参照)沖縄県水道局 海水
    日立造船株式会社 海水淡水化プラント

    

海水を使った農業

農業において、塩は農作物の生長を妨げる有害なものです。「塩害」という言葉を聞いたことのある方もいるのではないでしょうか。当然、塩を多く含む海水を農業に使うことは、通常はあり得ません。

しかし、その海水を使って農作物を育てられるようにしようという試みが行われています。
(参照)海水農業とは?水不足問題と農地・地下水の塩化問題に挑む注目ビジネス
    AMP SDGs達成のカギになるか?「海水農業」の可能性に迫る

 

4. おわりに

今回は、「食べ物と水」の関係や、食を取り巻く水の問題、問題解決のための取り組みなどについて紹介しました。

私たちが生きていくために水が必要なのと同じように、私たちが食べるものを育むためにも水が必要です。

食べ物を大切にすることは、水を大切にすることにもつながります。まずは、自分の身の回りの水や食べ物を無駄にしないよう心掛けることが、SDGsの達成に繋がっていくかもしれません。

 

Written by

株式会社町田予防衛生研究所

町田予防衛生研究所は、食の安全に関わる各種検査やコンサルティングなど幅広く商品・サービスを取り揃え、ワンストップで食の安全をサポートする企業です。

許可等

    • 厚生労働省登録検査機関(食品衛生法)
    • 登録衛生検査所
    • 国際規格 [ISO9001] 認証取得
    • 国際規格 [ISO/IEC17025:2017] 認定取得
    • JFS監査および適合証明プログラムに基づく監査会社

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