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新しい食の形(1)食の変化

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「食」とは、私たちが生きていくために必要な食べ物や「食べること」を示す言葉です。

「食」は時代の流れと共に、気候や生態系の変化、化学技術の発達、人の意識の変化などによって少しずつ形を変えてきました。そして、今も変化を続けています。

近年は「サステナブル」を意識した食の変化も起きています。

サステナブル(Sustainable)はSDGs(持続可能な開発目標)の「S」と同様に「持続可能な」という意味で使われています。

今回は、2回に渡って「サステナブル」な新しい食の形を紹介します。

 

1. 食とSDGs

私たちが口にする食べ物は、どんなものであれ、元を辿れば、植物や他の動物などの生物、水や石油などの天然資源が使われています。当然、これらは限りのあるものです。

それを踏まえて、食とSDGsの関わりを見ていきます。

限りある地球の資源という観点で見ると、

目標6「安全な水とトイレを世界中に」
目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
目標12「つくる責任 使う責任」
目標14「海の豊かさを守ろう」
目標15「陸の豊かさも守ろう」

SDGsアイコン6,7,12,14,15


この5つに関わってきます。

技術の発展に伴って食の変化が起きると考えれば、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」も関係します。

SDGsアイコン9


食は、貧困や飢餓、健康などにも関わる問題なので、

目標1「貧困をなくそう」
目標2「飢餓をゼロに」
目標3「すべての人に健康と福祉を」

SDGsアイコン1,2,3


これら3つにも繋がっていきます。

(参照)農林水産省 SDGsの目標とターゲット

このように、私たちは「食べる」ことで命を繋いでいるため、食の変化はSDGsで挙げられた課題に大きく関わっているのです。

 

2. 人間の食を大きく変えた変化

現在起きている変化を紹介する前に、まず、今までに起きた大きな「食の変化」を一部紹介します。

農業

農業の誕生は、人類が今日のような文明や文化を得る重要ターニングポイントとなりました。

農業が生まれた時期は、今から1万から1万2千年ほど前と言われています。

元々、人間は狩猟採集によって食料を調達していて、食料となる野生の動植物を求めて各地を転々とする移動生活を行っていたと考えられています。

農業が生まれたことで、自分たちの手で「食料を作る」ことができるようになりました。その結果、

 ・1つの場所に定住することが可能となった

 ・狩りができない人間も、食料調達で果たす役割ができた

 ・食料の貯蔵や余剰生産

などの変化が生まれました。

 

農業の誕生をきっかけに、人の個体数は急激に増えていったと言われています。

農業は、数々の技術革新などによって進化を続けていて、現在も人間の主要な食料生産手段として存在しています。

(参照)Think and Grow Ricci 農業全般の基礎知識として学んでおきたい、日本の農業の歴史

 

冷凍保存

冷凍庫をはじめとする冷凍設備は、多くの家やお店などに当たり前のように設置されています。食品を冷凍保存する技術の確立も、食に大きな変化をもたらしました。

食品の冷凍は19世紀の後半、百数十年ほど前のことです。

冷凍保存が可能となったことで、食べ物、特に魚や肉などの生鮮食品を、一定の鮮度を保った状態で保存することが可能になりました。

冷凍保存技術の確立によって、人々の食生活は激変しました。例えば、海から遠く離れた地域に住んでいる人が、海で獲れた魚を手にする、ということが可能となったのです。今となっては当たり前のことかもしれませんが、当時としては革命的な出来事でした。

ちなみに、日本が冷凍技術を導入したのは1920年頃、大正時代のことで、魚介類の品質を維持して長期保存することが目的でした。

現在の食のサプライチェーン(製造から配送、販売、消費までの一連の流れ)は「冷凍」に支えられています。スーパーやコンビニへ行けば、日本国内の各地だけでなく、海外から運ばれてきた生鮮食品や、それらを原料とした食品が当たり前のように並んでいます。そこで買った食品を家へ持ち帰れば、当たり前のように冷凍(あるいは冷蔵)保存しています。

冷凍技術が無ければ、物流や小売、私たちの食生活は成り立ちません。

また、冷凍技術はさらに発展を続け、「冷凍食品の進化」という形で、私たちの食生活を豊かにしてくれています。

(参照)おいしい冷凍研究所 魚の凍結から始まった 冷凍技術の歴史と現在
    一般社団法人 日本冷凍食品協会
    冷食ONLINE 冷凍食品の歴史
    株式会社ニチレイフーズ 冷凍食品100年ヒストリー

 

品種改良

品種改良は、生物の遺伝子を変化させたり掛け合わせたりするなどして、新しい(人間にとって有用な)品種を作り出す方法です。

自然界に存在する動植物は

①ある一つの種がそのまま繁殖しているもの

②異なる種の個体同士が交配して生まれたもの

③突然変異で元の種とは違った特性を持って生まれたもの

などが存在しています。

この②と③を人為的に行って新しい種を作るのが「品種改良」です。

人間は、品種改良を行うことで、より美味しい種や、病気に強い種などを作ってきました。

現在、私たちの食生活に関わる農作物の多くは、品種改良によって生み出されたものが多くあります。

ジャガイモを例に挙げると、「男爵」や「メイクイーン」などのように、料理の材料に適した品種が有名です。それ以外にも、デンプンの原料として使われる「コナフブキ」などの品種もあります。

より美味しい品種、より生産しやすい品種、より売りやすい品種などを作り出すことで、「食」を豊かにしてきたのです。

(参照)バイオステーション さまざまな品種改良の方法
    農研機構 品種改良の質問

 

3. 今起きていること

人口増加

世界人口は増加の一途を辿っています。

国連の調査・推計によると、2021年の世界人口は約78億7500万人で、2030年までに85億人、2050年には97億人まで達すると予測されています。 

人口が大きく増えているのは、アジアやアフリカが主です。これらの国や地域では、増えていく人口に対して食料の生産が間に合わず、食料生産を拡大するために、森林を伐採したり、化学肥料を大量に、過剰に使用するなど、環境破壊が進んでいます。

(参照)国連人口基金 世界人口白書2021
    国際連合広報センター 人口と開発
    文部科学省 人口問題が生態系資源及び土地資源等に与える影響

 

食需要の変化

近年、世界中で食需要の変化が起こっています。

例えば

・元々魚をあまり食べていなかった国で魚を食べる習慣が広まった

・食生活が西洋化し、肉食が増えたなどです。

 

まず、魚などの水産資源では、日本の漁獲量は近年、減少していますが世界全体では養殖を含め、年々増加しています。日本と世界では何が違うのでしょう?この要因として、今回のテーマでもある「サステナブル」な漁業への転換の遅れが挙げられています。

漁獲量が減ってしまっているのは万国共通? | umito.® (maruha-nichiro.co.jp)


「サステナブル」漁業先進国や日本でも魚を減らさない取組が行われていますが、世界全体では持続不可能な漁業の割合は増加傾向にあります。海の豊かさは危機的な状況にあるのです。

数字で見る水産物の世界 | umito.® (maruha-nichiro.co.jp)


また、牛などの食肉の需要増により、これらの生産も増加しています。つまり、家畜の飼育も増えており、家畜を育てるためにはたくさんの飼料や水が必要です(1kgの牛肉を作るのに1万5400リットルの水)。更に、牛のゲップにはメタンガスなどの温室効果ガスが含まれています。これらは、世界的な水不足や地球温暖化の一因になっていると言われています

 

(参照)農林水産省 令和2年度 食料・農業・農村白書
    プラットフォーム・ジャパン  1㎏の牛肉を生産するために、水はどのくらい必要でしょう?(FAOの記事を翻訳したものです)
    独立行政法人 農畜産業振興機構 持続可能な畜産経営に向けて

 

 

このような変化、それに伴って発生している問題を受けて、人々や企業などの

意識が変わり、私たちの「食」にも変化が起き始めています。

次回は、食の変化によって生まれた、新しい食の形を紹介します。
>>新しい食の形(2)

 

Written by

株式会社町田予防衛生研究所

町田予防衛生研究所は、食の安全に関わる各種検査やコンサルティングなど幅広く商品・サービスを取り揃え、ワンストップで食の安全をサポートする企業です。

本社所在地

〒194-0013
東京都町田市原町田3-9-9

許可等

    • 厚生労働省登録検査機関(食品衛生法)
    • 登録衛生検査所
    • 国際規格 [ISO9001] 認証取得
    • 国際規格 [ISO/IEC17025:2017] 認定取得(♯81094)
    • 国際規格 [ISO/IEC 27001:2013] 認証取得
    • JFS監査および適合証明プログラムに基づく監査会社

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