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ノロウイルスの消毒について

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厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルでは、10月から3月までの間には月に1回以上のノロウイルス検便を奨励しており、ノロウイルスによる食中毒リスクが高くなるシーズンとされています。改めてノロウイルス食中毒への警戒・予防対策を行いましょう。

食中毒の3原則+1「つけない」「増やさない」「やっつける」+「もちこまない」はノロウイルス食中毒対策にも効果的です。
ノロウイルスを【やっつける】ために有効な対策には、大きく3つあります。

加 熱
ノロウイルスは、食品の中心部が85~90℃で90秒間以上の加熱で不活性化します。食品を加熱する際は、中心部までしっかりと熱が伝わるようにしましょう。

洗 浄
基本として手洗いがあります。手も、原材料も調理器具機材も調理環境も、しっかりと洗浄することで物理的にノロウイルスを洗い流してしまいましょう。

消 毒
次亜塩素酸ナトリウムを中心とした薬剤による不活性化がよく利用されています。

 

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1. ノロウイルスをやっつける

ノロウイルス食中毒事故は、調理従事者を介してウイルスに汚染された食品を原因とする事例が事故全体の8割に該当するともいわれており、症状が出ていない方を含め、ヒトの衛生管理が重要です。
また、強力な感染力を持つノロウイルスは、ヒトからヒトへ感染することから、厨房に【持ち込まない】ためには、感染しない・感染を広げないようにすることが重要です。特に不特定多数の人とトイレなどの施設を共有する環境にある調理従事者は、感染のリスクが高くあります。トイレやドアノブ、取っ手など日常の清掃に、ノロウイルスの消毒を意識して行いましょう。

表 ノロウイルスの消毒について
消毒対策 処理例
調理器具等 洗剤等で十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200 ppm)で浸すようにペーパータオル等で拭く(加熱できる物については熱湯での加熱が有効)
ドアノブ、カーテン、リネン類、日用品 次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200~500 ppm)で浸すようにペーパータオル等で拭く
トイレ・浴槽 次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度300 ppm以上)で浸すようにペーパータオル等で拭く
おう吐物・ふん便による汚染場所 おう吐物等は、ウイルスが飛び散らないようにペーパータオル等で静かに拭き取り、ビニール袋に密閉して廃棄する(この際、ビニール袋に廃棄物が十分に浸る量の次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度1,000 ppm)を入れることが望ましい)。
床等の汚染場所は次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)で浸すようにペーパータオル等で覆うか、拭き取り、その後水拭きする。
患者使用のリネン及び下着類 廃棄するのが望ましいが、煮沸消毒も有効。(水やお湯のしぶきを吸い込まない等、二次感染への注意が必要)煮沸消毒が行えない場合には、洗剤を入れた水の中でウイルスが飛び散らないように静かにもみ洗いし、有機物を取り除いた後、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200 ppm)の消毒が有効(十分すすぎ、高温の乾燥機等を使用すると殺菌効果が高まる。また、もみ洗いした石けん液には次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度1,000 ppm以上)を加えて、10分間以上置いたのち、捨てること。)

*可能であれば、ふん便・吐物が付着した衣類はもみ洗いをせず、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度1,000 ppm以上)に漬け置きする方が洗濯時の二次感染を防ぐ上で好ましい。

食品健康栄養評価のためのリスクプロファイルより(食品安全委員会)

 

2. 次亜塩素酸ナトリウムについて

  • 次亜塩素酸ナトリウムは、ノロウイルスの不活化に有効な薬剤として最も常用されています。
  • 強い酸化作用をもつ薬剤で、有毒ガスを産生したり、色落ちする事があるので、使用に際しては使用上の注意をよく読んでから取り扱いましょう。
  • 常温でも不安定な化合物であるため、徐々に自然分解し消毒成分である有効塩素濃度は低下します。日光、特に紫外線により分解が促進され、温度の上昇とともに分解率は増加するので、冷暗所で保管しましょう。
  • 次亜塩素酸ナトリウムには粘膜刺激性があるので、消毒する清掃者がノロウイルスにかからないリスク対策も含めて、消毒の際には、換気し、マスクや手袋などを着用しましょう。
  • ノロウイルスにおいて塩素系消毒剤による十分な不活性化の効果を得るためには、汚染物の除去や消毒剤を使用する前の清掃や洗浄が重要です。ノロウイルス以外の汚れに対して塩素成分が使われてしまい、消毒に必要な「有効塩素濃度」が低下してしまうと、消毒効果が低下してしまうためです。
  • 木製の手すりや椅子、ベンチ等において、塗装されていない木質箇所の消毒効果が減弱することがあるので注意が必要です。
  • 消毒後は水拭き・水洗いするなどして、十分に薬剤を拭き取りましょう。
「200ppmの消毒液」のppm【ピーピーエム:Parts Per Million】とは、100万分のいくつかを占めるかを表す単位です。
100%は、1,000,000ppm
1%は、10,000ppm
つまり
0.02%が、200ppmとなります。

200ppmの次亜塩素酸ナトリウム消毒液をつくる

市販の次亜塩素酸ナトリウムを使用して200ppmの消毒液を作るには、まずは商品の塩素濃度を確認しましょう。例えばキッチンハイタ―やジアノック、ピューラックスは約5~6%、ミルトンやミルクポンは1%とされています。

【500mlの飲料ペットボトルを使って200ppmの消毒液を作る場合】
5~6%塩素濃度の製品であれば、ペットボトルのキャップに半分弱:約2ml
1%塩素濃度の製品であれば、ペットボトルのキャップ約2杯:10ml
を容器に入れて、500mlまで水で薄めると200ppmの消毒液の完成。
※標準的なペットボトルのキャップの場合、5mlはすりきり一杯よりも気持ち少なめです。
※ペットボトルにもともとの飲料が残ったままだと、消毒成分が消費されてしまうので、十分に洗ってから使用しましょう。

3. 消毒用アルコールについて

次亜塩素酸ナトリウムは、金属に対する腐食作用や、皮膚等に対する刺激が強く、損傷作用等があるため、使用が困難な場合が実際にはあります。その代替として熱湯や消毒用アルコール(エタノール)を使用する際は、十分な効果が得られるように注意が必要です。
消毒用アルコールについては、食品安全委員会のリスクプロファイルにおいても「アルコールの不活化効果に関しては、報告によりかなり差異が認められている」とされ、ノロウイルスを不活性化する効果がある製品があるものの、そうでない製品もあります。
少量でも強力な感染力をもつノロウイルスに対しては、ノロウイルス消毒に対する十分な有効性を示す商品を選択し、清掃・洗浄を十分に行った環境で、正しい使用方法で消毒を行うことが重要です。
一般社団法人アルコール協会では、エタノール系消毒剤の効果を高めるため、十分な量で一度清拭して15秒程度経過後に2度目の清拭を行う「2度拭き」を推奨しています。

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株式会社町田予防衛生研究所

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本社所在地

〒194-0013
東京都町田市原町田3-9-9

許可等

    • 厚生労働省登録検査機関(食品衛生法)
    • 登録衛生検査所
    • 国際規格 [ISO9001] 認証取得
    • 国際規格 [ISO/IEC17025:2017] 認定取得(♯81094)
    • 国際規格 [ISO/IEC 27001:2013] 認証取得
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