大阪府の食中毒発生状況
今回は、厚生労働省の食中毒統計資料に基づいて、過去5年間(2018年~2022年)の大阪府で発生した食中毒状況をご紹介します。全国の食中毒発生状況との差異や大阪府で多く発生している食中毒の原因物質ランキングをご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
※2023年3月30日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2024年3月18日に再度公開しました。
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1. 大阪府の食中毒発生状況
大阪府は日本で三番目に人口が多く、食中毒事件も多く発生しています。そんな大阪府では過去5年間(2018年~2022年)にどのような食中毒が多く発生しているのか下表のランキングをご覧ください。
厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2018年~2022年のデータを基に作成
1位 細菌-カンピロバクター・ジェジュニ/コリ 100件
2位 ウイルス-ノロウイルス 33件
3位 寄生虫-アニサキス 10件
4位 細菌-ぶどう球菌 9件
5位 細菌-ウェルシュ菌 7件
5位 細菌-サルモネラ属菌 7件
厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2018年~2022年のデータを基に作成
1位 寄生虫-アニサキス 2,102件
2位 細菌-カンピロバクター・ジェジュニ/コリ 1,126件
3位 ウイルス-ノロウイルス 702件
4位 自然毒-植物自然毒 199件
5位 細菌-ウエルシュ菌 129件
大阪府で1位の原因物質であるカンピロバクター・ジェジュニ/コリは全国では2位になっており、大阪府で2位の原因物質であるノロウイルスは全国では3位、大阪府で3位の原因物質であるアニサキスは全国では1位、大阪府で4位のぶどう球菌は全国で7位、大阪府で5位タイのウエルシュ菌は全国でも5位、同じく大阪府5位タイのサルモネラ属菌は全国で8位となっています。
厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2018年~2022年のデータを基に作成
続いて、過去5年間(2018年~2022年)の全国と大阪府の食中毒の発生比率を比較していきます。アニサキスの発生比率は全国と比較すると大阪府では大幅に少なくなっています。
一方で、カンピロバクター・ジェジュニ/コリについては大阪府での発生比率が大幅に高くなっています。
ノロウイルスについては大阪府がやや割合が高く、その他、植物自然毒、動物自然毒については大阪府での発生比率は全国と比較し、少なくなっています。
【カンピロバクター・ジェジュニ/コリ】
カンピロバクター・ジェジュニ/コリによる食中毒は、少ない菌数で発症するとされており、加熱不良の食品を提供した場合には、食中毒事故につながりやすいといえます。
カンピロバクター属菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「カンピロバクター食中毒の症状や特徴、予防方法について」
カンピロバクター食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
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>>お客様の声のページへ
【ノロウイルス】
ノロウイルスは感染力が強く、集団感染のリスクの高いウイルスです。カキなどの二枚貝の喫食による食中毒が有名ですが、不顕性感染者(感染しているが症状がないまたは軽症)から食材を二次汚染し食中毒につながることも十分に気を付けなければなりません。
ノロウイルスの特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「ノロウイルス食中毒の症状や特徴、予防方法について」
ノロウイルス検便で不顕性感染者の発見が大切です。
>>ノロウイルス検便のページへ
ノロウイルスによる環境の汚染を確認するには
>>環境衛生検査のページへ
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【アニサキス】
魚介類の保管時や下処理の不備が食中毒を引き起こす原因とされます。家庭内で、お刺身などのように非加熱または十分に加熱がされない状態で提供・喫食することが、アニサキスでの食中毒事故が多い理由としてあげられます。
アニサキスの特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「アニサキスなどの寄生虫による食中毒事故(アニサキス、クドア、ザルコシスティス)」
アニサキスによる食中毒のリスクを見える化するには
>>食品中の寄生虫検査のページへ
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【ぶどう球菌】
ぶどう球菌による食中毒事故の多くは黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)によるものです。
黄色ブドウ球菌は、食品中で増殖するときにエンテロトキシンという毒素をつくります。この毒素を食品と一緒に喫食することにより食中毒が起こります。黄色ブドウ球菌は十分な加熱調理で殺菌が可能ですが、毒素は100℃で20分の加熱でも分解されませんので注意が必要です。
黄色ブドウ球菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「黄色ブドウ球菌食中毒の症状や特徴、予防方法について」
ぶどう球菌食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
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【ウエルシュ菌】
ウエルシュ菌による食中毒は、別名「給食病」とも呼ばれ、カレーや煮込み料理等、大鍋で大量に調理し、作り置かれていた食品が原因となることが多くあります。100℃で1時間の加熱にも耐える熱に強い芽胞を作り、通常の加熱調理では死滅しないため注意が必要です。
ウエルシュ菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「ウエルシュ菌食中毒の症状や特徴、予防対策について」
ウエルシュ菌食中毒のリスクを見える化するには
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【サルモネラ属菌】
サルモネラ属菌は多くの家畜や動物の体内に生息し、乾燥に強い菌です。
特に鶏肉や鶏卵の加熱不足や生食が発症の原因となることが多いとされます。
サルモネラ属菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「サルモネラ食中毒の症状や特徴、予防方法について」
サルモネラ食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
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2. 食品の安全を確認するには
食品の安全を脅かす危害は、「生物学的危害」「物理的危害」「化学的危害」の3つに分類されます。
なかでも主に微生物を原因とする「生物学的危害」は、実際に発生した飲食関連の事故のうち約9割を占めるといわれています。
目には見えない微生物を検査によって「見える化」し、その状態を把握することが、微生物のコントロールには必須です。
食品微生物検査では、食品の種類・製造工程・保存条件など、検査対象の状況とその目的に応じて、衛生指標菌検査と食中毒菌検査を組み合わせて行われます。
その結果から、食中毒予防やリスク低減につなげることが可能です。
また、専門機関で検査することで、検査結果から改善のアドバイスが受けられます。より安心して食品をお客様に提供しましょう。
>>食品微生物検査のページへ
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