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アニサキスなどの寄生虫による食中毒事故(アニサキス、クドア、ザルコシスティス)

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東京では気温が30度を超える日も出始め、いよいよ夏が近づいて来ていると感じます。夏に旬を迎える魚はアジやカツオなどの赤身魚からスズキやイサキなどの白身魚まで様々です。日本では刺身文化が根付いており、生食をする機会も多いと思います。しかし、アジやカツオなどの赤身魚には特に注意が必要かもしれません。今年に入ってから5月末までに寄生虫による食中毒事故が109件発生しています。今回はおいしい魚等に潜む寄生虫についてご説明します。


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1. 食中毒の原因となる主な寄生虫の種類

寄生虫といえば先ず思いつくのがアニサキスではないでしょうか。サバやアジ、カツオなどの赤身魚に多く寄生しています。過去5年間では最も多い寄生虫による食中毒事故の原因となっています。

同じ魚に寄生する寄生虫にはクドア(Kudoa septempunctata)があります。2009年から2011年に、それまで原因不明とされてきた生食用生鮮ヒラメを介した有症事例について調査が行われ、その主な原因がクドア(Kudoa septempunctata)であると判明しました。調査時に予防方法と対策も立てられ、現在では、クドア(Kudoa septempunctata)による食中毒事故の発生は少なくなっています。

厚生労働省「過去の食中毒発生状況」より作成

※ザルコシスティス(Sarcocystis fayeri)は、犬や馬の筋肉に潜む寄生虫で、主に馬刺しを食べることによって食中毒を引き起こします。馬刺しの喫食による原因不明の有症事例の調査から、食中毒を引き起こしていることが判明しました。生産現場や調理の現場で対策が行われ、過去5年間では1件のみザルコシスティス(Sarcocystis fayeri)食中毒の事例が報告されています。

 

食中毒の発生場所

過去5年間では飲食店(1,368件中462件)で最も多く発生しており、次いで家庭(1,368件中262件)、販売店(1,368件中230件)で発生しています。割合として主な施設ごとに大差はありません。魚を扱う飲食店や販売店に従事されている方、釣ってきた魚を捌いて食べる方は注意が必要です。

 

2. 寄生虫別の特徴

アニサキス

【宿主】

・アニサキス幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの内臓に寄生します。寄生した魚介類の死後、時間が経つと筋肉に移動することがあります。そのため、内臓だけでなく、筋肉(赤身等)を生食もしくは加熱不足や不十分な冷凍で接食することにより、食中毒を引き起こすことがあります。また、アニサキス幼虫は胃壁や腸壁に刺入することはありますが、人間に寄生し発育することはありません。

【症状】

・胃に刺入した場合、食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐等の症状が出ます。腸に寄生した場合は、食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎等の症状がでます。いずれの場合も放置すれば、死滅し症状は治まりますが、最大で5日ほど症状が続きます。

【熱耐性】

・中心温度70℃以上、または60℃なら1分の加熱で死滅します。また、-20℃で24時間以上冷凍により死滅します。


アニサキスの検査については食品中の寄生虫検査のページをご覧ください。


クドア(Kudoa septempunctata

【宿主】

・主にヒラメの筋肉に寄生して食中毒の原因となります。人間に寄生し発育することはありません。

【症状】

・食後数時間程度で嘔吐や下痢の症状がでますが、軽症で一過性のものになります。

【熱耐性】

・中心温度75℃5分以上の加熱により死滅します。また、-20℃で4時間以上の冷凍により死滅します。


クドアの検査については食品中の寄生虫検査のページをご覧ください。

ザルコシスティス(Sarcocystis fayeri

【宿主】

・犬や馬の筋肉に潜む寄生虫です。人間に寄生し発育することはありません。

【症状】

・食後数時間程度で嘔吐や下痢の症状がでますが、軽症で一過性のものになります。

【熱耐性】

・中心温度-20℃で48時間以上、-30℃で36時間以上、-40℃で18時間以上、急速冷凍装置を用いた場合は-30℃で18時間以上を保持することで死滅します。


ザルコシスティスの検査については食品中の寄生虫検査のページをご覧ください。

3. 寄生虫による食中毒の予防対策

・アニサキス:新鮮な素材を選び、可及的速やかに内臓を除去する。魚等の内臓を生で提供しない・食さない。目視で確認し、アニサキス幼虫を除去する。-20℃で24時間以上冷凍する。70℃以上、または60℃なら1分以上の加熱をする。

・クドア(Kudoa septempunctata):中心温度75℃5分以上の加熱または、-20℃で4時間以上の冷凍処理を行う。

・ザルコシスティス(Sarcocystis fayeri):加工・流通段階では、中心温度-20℃で48時間以上、-30℃で36時間以上、-40℃で18時間以上、急速冷凍装置を用いた場合は-30℃で18時間以上の冷凍処理を行う。

食品中の寄生虫検査でリスクを見える化しましょう!


4. まとめ

・食中毒の原因となる主な寄生虫の種類は、アニサキス、クドア(Kudoa septempunctata)、ザルコシスティス(Sarcocystis fayeri) 等がある。

・アニサキスはアジやサバ等の魚介類、クドア(Kudoa septempunctata)は主にヒラメ、ザルコシスティス(Sarcocystis fayeri)は犬と馬に寄生し、何れも人間を最終宿主にはしない(人間の体内で死滅する)。

・症状はアニサキスの場合、胃または腸に寄生し、激しい腹痛と嘔吐、下痢等の症状が出る。クドア(Kudoa septempunctata)とザルコシスティス(Sarcocystis fayeri)はいずれも一過性の嘔吐、下痢等の症状が出る。

・発生場所は飲食店、家庭、販売店の順位多く、魚介類や馬刺しを扱う際には注意が必要である。

・対策は寄生虫により詳細は異なるが、冷凍処理と加熱処理によって死滅する。十分な冷凍もしくは加熱を確実に行うことが重要である。


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参考

・厚生労働省 過去の食中毒発生状況
・厚生労働省 過去の食中毒事件一覧
・厚生労働省 クドアによる食中毒について
・農林水産省 ヒラメを介したクドアの一種による食中毒Q&A
・農林水産省 馬肉を介したザルコシスティス・フェアリーによる食中毒Q&A

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