アニサキス食中毒の症状や特徴、予防方法について

アニサキス食中毒の症状や特徴、予防方法について
アニサキスは寄生虫(線虫)の一種で、毎年多くの食中毒事故の原因物質となっています。
アニサキスは魚介類に寄生することはよく知られていますが、この記事ではアニサキス食中毒の症状や発生時期、原因食品、発生場所をはじめ、具体的な対策までご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
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1. アニサキスの特徴
アニサキスは寄生虫(線虫)の一種で、その幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの内臓に寄生します。アニサキスが寄生した魚介類の死後、時間が経つと筋肉に移動することがあります。そのため、内臓だけでなく、筋肉を生食もしくは加熱不足や不十分な冷凍で摂食することにより、食中毒を引き起こすことがあります。また、アニサキス幼虫は胃壁や腸壁に刺入することはありますが、人間に寄生し発育することはありません。
【アニサキス食中毒の症状】
アニサキス食中毒(アニサキス症)は、アニサキス幼虫が胃壁に刺入して生じる急性胃アニサキス症と、アニサキスの幼虫が腸壁に刺入して生じる急性腸アニサキス症があり、またアニサキスが刺入しない場合でも、アニサキスが抗原となるアレルギー症状を示す場合があります。
- 急性胃アニサキス症は、食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。アニサキス症の多くは胃アニサキス症になります。治療法は、胃内視鏡検査時に胃粘膜に穿入する虫体を摘出します。
- 急性腸アニサキス症は、食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じます。治療は対症療法で、場合によっては外科的処理が施されます。
- アニサキスアレルギーについては、アレルギーに関する対処療法が必要で、アナフィラキシーの場合は、緊急に医療処置をする必要があります。
【アニサキス食中毒の発生時期】
アニサキスによる食中毒は、過去5年間では10月に最多となっておりますが、季節を問わず多く発生しているため、年間を通して注意が必要な食中毒となります。

厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2017年~2021年のデータを基に作成
【アニサキス食中毒の発生場所】
アニサキス食中毒は過去5年間では飲食店や家庭、販売店で多く発生しています。魚類を取り扱う場合は特に注意が必要です。

厚生労働省「過去の食中毒事件一覧」2017年~2021年のデータを基に作成
【原因食品等】
サバやアジ、カツオなどの赤身魚に多く寄生していますが、魚種を問わず生食をすることはアニサキス食中毒のリスクが常に伴います。
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2. アニサキス食中毒の予防方法
新鮮な魚を選び、内臓は速やかに取り除きましょう。
魚の内臓を生で喫食することや提供しないようにしましょう。
目視で確認して、アニサキス幼虫がいた場合には取り除きましょう。
アニサキスは食材の中心温度60℃で1分以上加熱することで死滅します。また、-20℃以下で24時間以上冷凍することにより死滅します。
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3. まとめ
- アニサキスはアジやサバ等の魚介類に寄生しているが、人間を最終宿主にはしない
- アニサキス食中毒の症状は胃または腸に刺入し、激しい腹痛と嘔吐、下痢等の症状が出る。
- アニサキス食中毒は、季節を問わず多く発生しているため年間を通して注意が必要な食中毒である。
- 60℃で1分以上の加熱、または-20℃以下で24時間以上冷凍することでアニサキスは死滅する。
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参考
・厚生労働省 4.食中毒統計資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html
・厚生労働省 アニサキスによる食中毒を予防しましょう
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html
・内閣府 食品安全委員会 ファクトシート アニサキス症(概要)
https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_anisakidae_170221.pdf
・国立感染研究所 アニサキス症とは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/314-anisakis-intro.html
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