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刺身による食中毒について アニサキスには特に注意!

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魚は古来より日本人に親しまれてきた食材の一つです。日本国内の食用魚介類の1人1年当たりの消費量は23.2kg(2021年度概算)に及びます(水産庁 水産物を食べる、魚介類の消費について)。中でも刺身は日本独特の食文化のひとつとして広く知られています。
その一方で、魚介類の刺身を原因食材とする食中毒事故も毎年発生しており、加熱調理工程がないことから特に注意が必要な食材の一つといえます。この記事では刺身に関する食中毒の「主な原因物質」「注意すべきポイント」などをまとめています。
適切な取り扱いにより食中毒を予防しましょう。

※2024年1月23日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2024年10月28日に再度公開しました。



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1. 刺身を原因食材とする食中毒

刺身は基本的に非加熱の状態で提供・喫食される食品であり、アニサキスなどの寄生虫が除去されず残っていたり、水揚げ時から付着していた腸炎ビブリオなどの食中毒菌が不適切な温度管理等で増殖し食中毒事故を引き起こす場合があります。

この他、魚類(特に赤身魚)では、体内に含まれるヒスチジンが、流通過程や保存時の温度管理不良により、増殖したヒスタミン産生菌の酵素によってヒスタミンになって蓄積し、ヒスタミン食中毒につながる事例があります。一度産生されたヒスタミンは通常の調理時の加熱等では分解されないため、刺身などの非加熱食品だけでなく、加熱調理を行う食品でも食中毒を引き起こす場合があります。
ヒスタミン食中毒についてはこちらをご覧ください。
>>ヒスタミンの食中毒をご存じですか?

<アニサキス>

アニサキス幼虫は、魚介類の内臓に寄生し、寄生した魚介類の死後、時間が経つと筋肉に移動することがあります。そのため、魚介類の下処理時の不備や不十分な冷凍もしくは加熱、不適切な温度管理等で、食中毒を引き起こすことがあります。また、魚介類の内臓の生食は避けましょう。家庭内での食中毒事故も多く発生しています。

アニサキスの特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>アニサキス食中毒の症状や特徴、予防方法について
>>「アニサキスなどの寄生虫による食中毒事故(アニサキス、クドア、ザルコシスティス)
アニサキスによる食中毒のリスクを見える化するには
>>食品中の寄生虫検査のページへ
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<クドア>

クドア(Kudoa septempunctata)は、主にヒラメの筋肉に寄生して食中毒の原因となります。人間に寄生し発育することはありません。食後数時間程度で嘔吐や下痢の症状がでますが、軽症で一過性のものになります。

クドアの特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「アニサキスなどの寄生虫による食中毒事故(アニサキス、クドア、ザルコシスティス)
クドアによる食中毒のリスクを見える化するには
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<腸炎ビブリオ>

腸炎ビブリオは沿岸の海水、海泥中や汽水域に分布し、水温が 15℃以上の環境(至適温度域 35~37℃)になると活発化します。好塩性細菌であり、食塩濃度が高い1~8%の環境下(増殖至適塩分濃度は2~3%)で増殖します。一方で真水に弱い特徴があります。

腸炎ビブリオの特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「腸炎ビブリオ食中毒の症状や特徴、予防方法について
腸炎ビブリオによる食中毒のリスクを見える化するには
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【主な原因物質】

2019年から2023年の5年間において、「厚生労働省 過去の食中毒事件一覧」によると、魚の刺身を原因食材とする食中毒事故は735件(推定含む)ありました。そのうち原因物質としてはアニサキスが圧倒的に多く、668件(推定含む)でした。



【原因施設】

主な原因物質であるアニサキスによる食中毒事故は、飲食店205件、販売店198件、家庭192件と、同程度に多く発生しています。

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2. 食品の安全を確認するには

食品の安全を脅かす危害は、「生物学的危害」「物理的危害」「化学的危害」の3つに分類されます。
なかでも主に微生物を原因とする「生物学的危害」は、実際に発生した飲食関連の事故のうち約9割を占めるといわれています。
目には見えない微生物を検査によって「見える化」し、その状態を把握することが、微生物のコントロールには必須です。

食品微生物検査では、食品の種類・製造工程・保存条件など、検査対象の状況とその目的に応じて、衛生指標菌検査と食中毒菌検査を組み合わせて行われます。
その結果から、食中毒予防やリスク低減につなげることが可能です。

また、専門機関で検査することで、検査結果から改善のアドバイスが受けられます。より安心して食品をお客様に提供しましょう。
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