神奈川県の食中毒発生状況

今回は、厚生労働省の食中毒統計資料に基づいて、過去5年間(2017年~2021年)の神奈川県で発生した食中毒状況をご紹介します。全国の食中毒発生状況との差異や神奈川県で多く発生している食中毒の原因物質ランキングをご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
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1. 神奈川県の食中毒発生状況
神奈川県は日本全国で東京に次いで人口が多く、食中毒事件も多く発生しています。そんな神奈川県では過去5年間(2017年~2021年)にどのような食中毒が多く発生しているのか下表のランキングをご覧ください。

厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2017年~2021年のデータを基に作成
1位アニサキス【寄生虫】126件
2位カンピロバクター・ジェジュニ/コリ【細菌】97件
3位ノロウイルス【ウイルス】41件
4位ウエルシュ菌【細菌】10件
5位腸管出血性大腸菌(VT産生)【細菌】8件

厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2017年~2021年のデータを基に作成
1位アニサキス【寄生虫】1,766件
2位カンピロバクター・ジェジュニ/コリ【細菌】1,263件
3位ノロウイルス【ウイルス】853件
4位植物自然毒【自然毒】199件
5位ウエルシュ菌【細菌】134件
原因物質のアニサキス、カンピロバクター・ジェジュニ/コリ、ノロウイルスの順位は神奈川県と全国において同じでした(過去5年間累計)。
一方で、神奈川県で4位のウエルシュ菌は全国では5位、神奈川県で5位の腸管出血性大腸菌(VT産生)は全国では9位となっています。対して全国の4位は植物自然毒となっています。

厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2017年~2021年のデータを基に作成
続いて、過去5年間(2017年~2021年)の全国と神奈川県の食中毒の発生比率を比較していきます。上位2位のアニサキス、カンピロバクター・ジェジュニ/コリの発生比率については神奈川県での発生比率が高いといえます。次いで3位以下のノロウイルスについては神奈川県での発生比率が低いといえます。その他、植物自然毒、動物自然毒については神奈川県での発生比率は全国と比較し、大幅に少なくなっています。
【アニサキス】
魚介類の保管時や下処理の不備が食中毒を引き起こす原因とされます。家庭内で、お刺身などのように非加熱または十分に加熱がされない状態で提供・喫食することが、アニサキスでの食中毒事故が多い理由としてあげられます。
アニサキスの特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「アニサキスなどの寄生虫による食中毒事故(アニサキス、クドア、ザルコシスティス)」
アニサキスによる食中毒のリスクを見える化するには
>>食品中の寄生虫検査のページへ
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【カンピロバクター・ジェジュニ/コリ】
カンピロバクター・ジェジュニ/コリによる食中毒は、少ない菌数で発症するとされており、加熱不良の食品を提供した場合には、食中毒事故につながりやすいといえます。
カンピロバクター属菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「カンピロバクター食中毒の症状や特徴、予防方法について」
カンピロバクター食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
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【ノロウイルス】
ノロウイルスは感染力が強く、集団感染のリスクの高いウイルスです。カキなどの二枚貝の喫食による食中毒が有名ですが、不顕性感染者(感染しているが症状がないまたは軽症)から食材を二次汚染し食中毒につながることも十分に気を付けなければなりません。
ノロウイルスの特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「ノロウイルス食中毒の症状や特徴、予防方法について」
ノロウイルス検便で不顕性感染者の発見が大切です。
>>ノロウイルス検便のページへ
ノロウイルスによる環境の汚染を確認するには
>>環境衛生検査のページへ
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【ウエルシュ菌】
ウエルシュ菌による食中毒は、別名「給食病」とも呼ばれ、カレーや煮込み料理等、大鍋で大量に調理し、作り置かれていた食品が原因となることが多くあります。100℃で1時間の加熱にも耐える熱に強い芽胞を作り、通常の加熱調理では死滅しないため注意が必要です。
ウエルシュ菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「ウエルシュ菌食中毒の症状や特徴、予防対策について」
ウエルシュ菌食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
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【腸管出血性大腸菌】
腸管出血性大腸菌は人の腸管内でベロ毒素(vero toxin ; VT)と呼ばれる毒素を産生し、その毒素により出血性の大腸炎を引き起こす細菌性の食中毒です。中でもO157が有名で少量でも発症しやすく、場合によっては重篤な症状を伴う特徴があります。
腸管出血性大腸菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「O157等の腸管出血性大腸菌食中毒の症状や特徴、予防方法について」
腸管出血性大腸菌食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
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2. 食品の安全を確認するには
食品の安全を脅かす危害は、「生物学的危害」「物理的危害」「化学的危害」の3つに分類されます。
なかでも主に微生物を原因とする「生物学的危害」は、実際に発生した飲食関連の事故のうち約9割を占めるといわれています。
目には見えない微生物を検査によって「見える化」し、その状態を把握することが、微生物のコントロールには必須です。
食品微生物検査では、食品の種類・製造工程・保存条件など、検査対象の状況とその目的に応じて、衛生指標菌検査と食中毒菌検査を組み合わせて行われます。
その結果から、食中毒予防やリスク低減につなげることが可能です。
また、専門機関で検査することで、検査結果から改善のアドバイスが受けられます。より安心して食品をお客様に提供しましょう。
>>食品微生物検査のページへ
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Written by
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