愛知県の食中毒発生状況
今回は、厚生労働省の食中毒統計資料に基づいて、過去5年間(2018年~2022年)の愛知県で発生した食中毒状況をご紹介します。全国の食中毒発生状況との差異や愛知県で多く発生している食中毒の原因物質ランキングをご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
※2023年4月13日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2024年3月25日に再度公開しました。
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1. 愛知県の食中毒発生状況
愛知県は日本で四番目に人口が多く、食中毒事件も多く発生しています。そんな愛知県ではどのような食中毒が多く発生しているのか下表のランキングをご覧ください。
厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2018年~2022年のデータを基に作成
1位 寄生虫-アニサキス 78件
2位 細菌-カンピロバクター・ジェジュニ/コリ 48件
3位 ウイルス-ノロウイルス 36件
4位 細菌-ウエルシュ菌 10件
5位 細菌-サルモネラ属菌 5件
厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2018年~2022年のデータを基に作成
1位 寄生虫-アニサキス 2,102件
2位 細菌-カンピロバクター・ジェジュニ/コリ 1,126件
3位 ウイルス-ノロウイルス 702件
4位 自然毒-植物自然毒 199件
5位 細菌-ウエルシュ菌 129件
愛知県でトップ3の原因物質であるアニサキス、カンピロバクター・ジェジュニ/コリ、ノロウイルスは全国でも同様の順位となっています。愛知県で4位の原因物質であるウエルシュ菌は全国では5位、愛知県で5位のサルモネラ属菌は全国で7位となっています。
厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2018年~2022年のデータを基に作成
続いて、全国と愛知県の食中毒の発生比率を比較していきます。アニサキスについては愛知県は全国よりも割合がやや低く、カンピロバクター・ジェジュニ/コリ、ノロウイルスについては愛知県の方が全国より高い発生比率だと言えます。
植物性自然毒、動物性自然毒については愛知県での発生比率が低くなっています。
【アニサキス】
魚介類の保管時や下処理の不備が食中毒を引き起こす原因とされます。家庭内で、お刺身などのように非加熱または十分に加熱がされない状態で提供・喫食することが、アニサキスでの食中毒事故が多い理由としてあげられます。
アニサキスの特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「アニサキスなどの寄生虫による食中毒事故(アニサキス、クドア、ザルコシスティス)」
アニサキスによる食中毒のリスクを見える化するには
>>食品中の寄生虫検査のページへ
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【カンピロバクター・ジェジュニ/コリ】
カンピロバクター・ジェジュニ/コリによる食中毒は、少ない菌数で発症するとされており、加熱不良の食品を提供した場合には、食中毒事故につながりやすいといえます。
カンピロバクター属菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「カンピロバクター食中毒の症状や特徴、予防方法について」
カンピロバクター食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
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【ノロウイルス】
ノロウイルスは感染力が強く、集団感染のリスクの高いウイルスです。カキなどの二枚貝の喫食による食中毒が有名ですが、不顕性感染者(感染しているが症状がないまたは軽症)から食材を二次汚染し食中毒につながることも十分に気を付けなければなりません。
ノロウイルスの特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「ノロウイルス食中毒の症状や特徴、予防方法について」
ノロウイルス検便で不顕性感染者の発見が大切です。
>>ノロウイルス検便のページへ
ノロウイルスによる環境の汚染を確認するには
>>環境衛生検査のページへ
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【ウエルシュ菌】
ウエルシュ菌による食中毒は、別名「給食病」とも呼ばれ、カレーや煮込み料理等、大鍋で大量に調理し、作り置かれていた食品が原因となることが多くあります。100℃で1時間の加熱にも耐える熱に強い芽胞を作り、通常の加熱調理では死滅しないため注意が必要です。
ウエルシュ菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「ウエルシュ菌食中毒の症状や特徴、予防対策について」
ウエルシュ菌食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
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【サルモネラ属菌】
サルモネラ属菌は多くの家畜や動物の体内に生息し、乾燥に強い菌です。
特に鶏肉や鶏卵の加熱不足や生食が発症の原因となることが多いとされます。
サルモネラ属菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「サルモネラ食中毒の症状や特徴、予防方法について」
サルモネラ食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
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2. 食品の安全を確認するには
食品の安全を脅かす危害は、「生物学的危害」「物理的危害」「化学的危害」の3つに分類されます。
なかでも主に微生物を原因とする「生物学的危害」は、実際に発生した飲食関連の事故のうち約9割を占めるといわれています。
目には見えない微生物を検査によって「見える化」し、その状態を把握することが、微生物のコントロールには必須です。
食品微生物検査では、食品の種類・製造工程・保存条件など、検査対象の状況とその目的に応じて、衛生指標菌検査と食中毒菌検査を組み合わせて行われます。
その結果から、食中毒予防やリスク低減につなげることが可能です。
また、専門機関で検査することで、検査結果から改善のアドバイスが受けられます。より安心して食品をお客様に提供しましょう。
>>食品微生物検査のページへ
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