消費期限や賞味期限の設定方法について
消費者が食品を購入する際にチェックする重要な項目として食品の消費期限・賞味期限があげられます。厚生労働省および農林水産省では、「食品期限表示(消費期限・賞味期限)の設定のためのガイドライン」を策定し、客観的な項目(指標)に基づき、期限を設定する必要があるとしています。
そして、より安心・安全な食品を消費者に届けるためには、日々の品質管理が適切に行われることが重要となります。
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1. 消費期限と賞味期限とは
消費期限・賞味期限の定義については、消費者庁食品表示課からの「加工食品の表示に関する共通Q&A(第2集:消費期限又は賞味期限について)」に、次の通り記載があります。
“「消費期限」とは、定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質(状態)の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日のことで、開封前の状態で定められた方法により保存すれば食品衛生上の問題が生じないと認められるものです。このため、「消費期限」を過ぎた食品は食べないようにしてください。”
“「賞味期限」とは、定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日のことです。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあります。このため、「賞味期限」を過ぎた食品であっても、必ずしもすぐに食べられなくなるわけではありませんので、それぞれの食品が食べられるかどうかについては、消費者が個別に判断する必要があります。”
引用:消費者庁食品表示課 加工食品の表示に関する共通Q&A(第2集:消費期限又は賞味期限について)
では、消費期限・賞味期限をそれぞれどのような食品に表示するかですが、こちらに関しても「加工食品の表示に関する共通Q&A(第2集:消費期限又は賞味期限について)」に、次の通り記載があります。
“一般的に、品質(状態)が急速に劣化する食品には、安全性を欠くこととなるおそれがない期限である「消費期限」を、それ以外の(比較的品質が劣化しにくい)食品には、おいしく食べることができる期限である「賞味期限」を表示すべきと考えられます。例えば、「消費期限」は、弁当、調理パン、そうざい、生菓子類、食肉、生めん類など品質(状態)が急速に劣化しやすい食品に、また、「賞味期限」は、スナック菓子、即席めん類、缶詰、牛乳、乳製品など品質の劣化が比較的穏やかな食品に表示されています。なお、これらの期限は、容器包装を開封する前の状態で保存した場合の期限を示すものです。”
引用:消費者庁食品表示課 加工食品の表示に関する共通Q&A(第2集:消費期限又は賞味期限について)
2. 期限表示の設定方法
「食品期限表示(消費期限・賞味期限)の設定のためのガイドライン」には、“個々の食品の特性に十分配慮した上で、食品の安全性や品質等を的確に評価するための客観的な項目(指標)に基づき、期限を設定する必要がある。”とされています。詳細につきましては原文をご確認ください。以下はポイントとなる点をご紹介いたします。
客観的な項目(指標)
・数値化することが可能な項目(指標)として「理化学試験」、「微生物試験」等
・適切にコントロールされた条件下で、適切な被験者により的確な手法によって実施され数値化された「官能検査」
各々の試験及び項目(指標)の特性を知り、それらを総合的に判断し、期限設定を行わなければならない。
「理化学試験」
水分活性、pH、酸価、過酸化物価など
「微生物試験」
細菌数、大腸菌群、真菌数、食中毒原因菌など
「官能検査」
外観、臭気、味など
※食品の特性に応じて、試験・検査項目を決定する。
食品の特性に応じた「安全係数」の設定
食品の特性に応じ、設定された期限に対して1未満の係数(安全係数)をかけて、客観的な項目(指標)において得られた期限よりも短い期間を設定することが基本である。
設定方法
一般的には、流通実態に応じた「保存検査」が行われています。保存試験では、一定条件の下で食品を実際に保存し、どこまで安全性や品質を保つことができるかについて調べます。時間の経過による食品の変化を、微生物試験や理化学試験、官能検査などによって数値化し、品質のばらつきや環境などを勘案した安全係数(1未満の係数)を設定することで、製造者によって期限を算出します。
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3. まとめ
消費期限・賞味期限は、消費者が食品を選ぶ際の重要な指標であり、また、食中毒事故を起こさないためにも、客観的な項目(指標)に基づき、期限を設定する必要があります。「理化学試験」や「微生物試験」等は専門の検査機関がありますので、適宜利用することがおすすめです。
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