地域別食中毒発生状況
今回は、厚生労働省の食中毒統計資料に基づいて、過去5年間(2019年~2023年)の地方別に発生した食中毒状況をご紹介します。地方ごとの発生状況の差異や地方ごとに多く発生している食中毒の原因物質をご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
※2024年2月26日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2024年11月18日に再度公開しました。
都道府県別の食中毒発生状況についてはこちら
>>都道府県別食中毒事故件数ランキングのページへ
事件数の原因物質別ランキングはこちらです。
>>事件数が多い食中毒ランキング
患者数の原因物質別ランキングはこちらです。
>>患者数が多い食中毒ランキング
死者数の原因物質別ランキングはこちらです。
>>死者数が食中毒ランキング
食中毒の事件数・患者数・死者数をまとめた記事はこちらです。
>>食中毒の発生状況を総まとめ
▼調理現場ですぐに使える学べる資料▼
1. 地方ごとの食中毒発生状況
2019年~2023年の5年間の食中毒統計データを基に、地方別の食中毒発生件数比率を比較するグラフを作成しました。
※地方の区分は一般に使用されている8地方区分(北海道地方、東北地方、関東地方、中部地方、近畿地方、中国地方、四国地方、九州・沖縄地方)を基準に地方を分けています。
厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2019年~2023年のデータを基に作成
地方別の食中毒発生比率を原因物質ごとに比較していきます。
アニサキスは東北地方、関東地方、中部地方、九州・沖縄地方で30%以上の発生比率を記録し(うち九州・沖縄地方が最高値で48.5%)、近畿地方については10%程度の発生比率となっています。
カンピロバクター・ジェジュニ/コリは四国地方で35.1%、近畿地方で33.3%の発生比率を記録し、東北地方、中国地方については20%以下の発生比率となっています。
ノロウイルスは中部地方、近畿地方、中国地方、四国地方で20%以上(うち近畿地方が最高値で27.7%)の発生比率を記録し、北海道地方、東北地方、関東地方、九州・沖縄地方については20%以下の発生比率となっています。特に九州・沖縄地方は10%程度と低い割合です。
植物性自然毒は北海道地方、東北地方で10%以上の発生比率を記録し(うち北海道地方が最高値で19.4%)、その他の地方では10%以下の発生比率となっています。
動物性自然毒は中国地方でのみ10%以上(10.2%)発生しており、その他の地域では10%以下の発生比率となっています。
【アニサキス】
魚介類の保管時や下処理の不備が食中毒を引き起こす原因とされます。家庭内で、お刺身などのように非加熱または十分に加熱がされない状態で提供・喫食することが、アニサキスでの食中毒事故が多い理由としてあげられます。
アニサキスの特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「アニサキスなどの寄生虫による食中毒事故(アニサキス、クドア、ザルコシスティス)」
アニサキスによる食中毒のリスクを見える化するには
>>食品中の寄生虫検査のページへ
当社をご利用いただいているお客様の声をご紹介します。
>>お客様の声のページへ
【カンピロバクター・ジェジュニ/コリ】
カンピロバクター・ジェジュニ/コリによる食中毒は、少ない菌数で発症するとされており、加熱不良の食品を提供した場合には、食中毒事故につながりやすいといえます。
カンピロバクター属菌の特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「カンピロバクター食中毒の症状や特徴、予防方法について」
カンピロバクター食中毒のリスクを見える化するには
>>食品微生物検査のページへ
当社をご利用いただいているお客様の声をご紹介します。
>>お客様の声のページへ
【ノロウイルス】
ノロウイルスは感染力が強く、集団感染のリスクの高いウイルスです。カキなどの二枚貝の喫食による食中毒が有名ですが、不顕性感染者(感染しているが症状がないまたは軽症)から食材を二次汚染し食中毒につながることも十分に気を付けなければなりません。
ノロウイルスの特徴や予防方法は以下をご覧ください。
>>「ノロウイルス食中毒の症状や特徴、予防方法について」
ノロウイルス検便で不顕性感染者の発見が大切です。
>>ノロウイルス検便のページへ
ノロウイルスによる環境の汚染を確認するには
>>環境衛生検査のページへ
当社をご利用いただいているお客様の声をご紹介します。
>>お客様の声のページへ
【植物性自然毒】
植物性自然毒はキノコと高等植物に大別されます。
キノコ
ツキヨタケやクサウラベニタケ、テングタケ・イボテングタケが有名です。
食用と判断できないキノコは絶対に「採らない」「食べない」「人にあげない」が特に重要です。
東京都福祉保健局 食品衛生の窓 キノコ食中毒
高等植物
スイセンやトリカブト、ヨウシュウヤマゴボウなどが有名です。
植物の新芽、若葉や根、実など一部分を見ただけでは、有毒植物と食用植物とを見分けることが難しい場合があります。
東京都福祉保健局 食品衛生の窓 間違えやすい有毒植物
厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル
【動物性自然毒】
すぐに思い浮かぶのはフグではないでしょうか?
フグの体内に含まれるテトロドトキシン(TTX)がフグの喫食による食中毒の主な原因です。過去には死亡例も報告されています。
厚生労働省 安全なフグを提供しましょう
フグ以外の有毒な魚や二枚貝、巻貝の喫食による食中毒もあります。
厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル
2. 食品の安全を確認するには
食品の安全を脅かす危害は、「生物学的危害」「物理的危害」「化学的危害」の3つに分類されます。
なかでも主に微生物を原因とする「生物学的危害」は、実際に発生した飲食関連の事故のうち約9割を占めるといわれています。
目には見えない微生物を検査によって「見える化」し、その状態を把握することが、微生物のコントロールには必須です。
食品微生物検査では、食品の種類・製造工程・保存条件など、検査対象の状況とその目的に応じて、衛生指標菌検査と食中毒菌検査を組み合わせて行われます。
その結果から、食中毒予防やリスク低減につなげることが可能です。
また、専門機関で検査することで、検査結果から改善のアドバイスが受けられます。より安心して食品をお客様に提供しましょう。
>>食品微生物検査のページへ
HACCP制度化対応はお済みですか?
>>HACCP制度化対応に関するよくある質問のページへ
>>HACCP制度化対応に失敗しないためのポイントのページへ
検査等の料金やご相談はお気軽に
検査等の料金が知りたい方はこちら
検査等の料金が知りたい方はこちらからどうぞ。
ご質問やお問い合わせはこちら
ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
LINE公式アカウントを友だち追加!!
町田予防衛生研究所では、食の安全に興味・関心をお持ちの方々に、有用な情報を発信しています。
食品に携わる方々が、「好きな時間に」「簡単に」「短時間で」食の安全・安心に関する知識を得るられることを目指して運営しています。
電車での移動中などのスキマ時間にご利用いただけるように、ぜひ【友だち追加】をしてください。
【町田予防衛生研究所】食品衛生ハンドブックのダウンロードページへ
こちらもオススメ
近年の食中毒原因上位>>カンピロバクター食中毒の症状や特徴、予防方法について
冬場に特に多い食中毒
>>ノロウイルス食中毒の症状や特徴、予防方法について
O157は特に有名 ベロ毒素を産生する大腸菌
>>O157等の腸管出血性大腸菌食中毒の症状や特徴、予防方法について
家禽類や家畜などの体内に生息 乾燥に強い食中毒菌
>>サルモネラ食中毒の症状や特徴、予防方法について
手指の傷や化膿創に気を付けて!
>>黄色ブドウ球菌食中毒の症状や特徴、予防方法について
海水中に存在して魚介類に付着
>>腸炎ビブリオ食中毒の症状や特徴、予防方法について
Written by
株式会社町田予防衛生研究所
町田予防衛生研究所は、食の安全に関わる各種検査やコンサルティングなど幅広く商品・サービスを取り揃え、ワンストップで食の安全をサポートする企業です。
本社所在地
〒194-0013
東京都町田市原町田3-9-9
許可等
食品衛生のお役立ち掲示物ダウンロード
現場ですぐに使える「食品衛生のお役立ち掲示物」をご用意しております。
ダウンロードして印刷すれば、すぐにご利用いただけます。
手洗いマニュアル
ノロウイルスの特徴まとめ
ノロウイルス予防4原則
食品衛生7S
食品アレルギー早わかり
衛生身だしなみマニュアル