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エルシニア・エンテロコリチカによる食中毒について

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エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)による食中毒は、届け出られる事件数や患者数はともに多くはありませんが、低温(0~4℃以下)の状況下でも発育が可能なため、冷蔵保存状態でも安心できない特徴があります。今回はこのエルシニア・エンテロコリチカによる食中毒についての特徴と対策をわかりやすくご紹介させていただきますので、ぜひ最後までご覧ください。


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1. エルシニア・エンテロコリチカの特徴

エルシニア・エンテロコリチカはブタの扁桃や腸管、シカ、イノシシ、ネズミなどの野生動物、また、イヌやネコなどのペットの糞、河川水などから検出されています。

通性嫌気性(酸素がない状態でも発育可能な菌)の桿菌で、栄養分の少ない低温の水中で長期間生残することが特徴として上げられます。

 

【症状】

潜伏期間が半日~6日で、主に発熱、下痢、腹痛などの胃腸炎の症状が表れます。2~3 歳の幼児に多く、成人ではまれです。年齢が高くなるにつれて腸間膜リンパ節炎の症状が表れることがあります。

 

【発生時期】

日本国内では、2015年からの5年間でエルシニア・エンテロコリチカによる食中毒が7月、9月、10月に1件ずつ(計3件)発生しています。一般に夏に比較的多いとされています。

厚生労働省「過去の食中毒発生状況」2019年~2015年

【発生場所】

日本国内では、過去5年間でエルシニア・エンテロコリチカによる食中毒3件の内、発生場所が特定されているのは、仕出屋1件となります。

厚生労働省「過去の食中毒事件一覧」2019年~2015年

【原因食品等】

日本国内で原因が明らかになっているエルシニア・エンテロコリチカによる食中毒は、過去に加工乳及びリンゴサラダによる事例が報告されています。海外では粉ミルク、加工乳等の乳製品による食中毒事例が報告されています。
食材や食品の汚染状況の確認には食品微生物検査がおすすめです。

 

2. エルシニア・エンテロコリチカの食中毒予防対策

エルシニア・エンテロコリチカは、低温(0℃~4℃)で増殖可能ですが、 一般的な食中毒菌(芽胞菌を除く)と同様に加熱に対する抵抗性は高くないと報告されています。

具体的な予防・対策のポイントは主に次の4つです。

①「食材は冷蔵であっても長期間の保存は避ける」、②「調理時に十分な加熱を行う」、③「二次汚染の防止」、④「井戸水等未殺菌の水の使用を避ける」

 

①「食材は冷蔵であっても長期間の保存は避ける」

特に豚肉等の生肉を保存する場合、例え冷蔵状態(10℃以下)であっても、エルシニア・エンテロコリチカは発育が可能です。長期間の保存は避け、なるべく早く使用するか、冷凍保存しましょう。

②「調理時に十分な加熱を行う」

エルシニア・エンテロコリチカは通常の調理加熱で死滅します。食材の中心部まで十分な加熱を行いましょう。
加熱による殺菌がなされたかは食品微生物検査で確認しましょう!

③「二次汚染の防止」

特に豚肉等の生肉の下処理時に調理済みの食品や未加熱の食品に菌が付着することを防ぐため、調理の際は、手洗い、食材ごとの調理器具の使い分けや調理器具の消毒等に注意し、二次汚染を防止しましょう。

調理器具や容器の洗浄・消毒の状況も拭き取り検査で確認を!
>>環境衛生検査のページへ

④「井戸水等未殺菌の水の使用を避ける」

エルシニア・エンテロコリチカは、栄養分の少ない低温の水中で長期間生残する特徴があります。井戸水や湧き水等の使用は避けるか、煮沸等十分に加熱してから使用しましょう。




3. まとめ

・エルシニア・エンテロコリチカは、野生動物や家畜(特に豚の腸管内)や河川等に分布し、低温でも発育する。

・エルシニア・エンテロコリチカによる食中毒の症状は、発熱、下痢、腹痛などの胃腸炎を主症状とし、2~3 歳の幼児に多く、成人ではまれで、年齢が高くなるにつれて腸間膜リンパ節炎の症状が表れることがある。

・過去5年間の発生時期は7月、9月、10月であった。一般に夏場に多いとされている。

・過去5年間において、発生場所が明らかになっているものは、1件で仕出屋であった。

・食材は冷蔵であっても長期間の保存は避け、十分な加熱調理を行い、二次汚染の防止や未殺菌の水の使用を避けることが重要である。

 
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参考

・東京都感染症情報センター エルシニアによる集団感染事例と豚肉からのエルシニア検出状況
・食品安全委員会 ファクトシート エルシニア症
・厚生労働省 食中毒発生状況(2019年~2015年)
・厚生労働省 過去の食中毒事件一覧(2019年~2015年)

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